2021.05.07 プレスリリース 【記者発表】ガラスのドミノ倒し的結晶化 一般に低温では分子運動が遅くなるため結晶化しにくくなるというのが常識ですが、時としてガラス状態にある物質が結晶化することがあります。田中 肇 東京大学名誉教授らのの共同研究グループはは、コロイド分散系の結晶化過程の一粒子レベルでの実時間観察と数値シミュレーションにより、どのような条件下で、またどのような機構で低温高速結晶化が実現するのかを明らかにしました。ガラスの結晶化(脱硝現象)の物理的機構が解明されたことで、結晶化の阻止のみならず、逆に高品質な結晶形成も可能になると予想され、様々な産業応用にも大きく貢献するものと期待されます。
2021.04.30 プレスリリース 【共同発表】電通大と東大の研究チームが東京都との共同事業を開始~IoT/SNSと建築学の融合による「換気向上プロジェクト」~(発表主体:電気通信大学) 電気通信大学 i-パワードエネルギー・システム研究センター 横川 慎二教授と #東大生研 野城 智也 教授の研究チームが、令和3年4月より「地域参加による換気の可視化~向上プロジェクト」を開始します。本事業は令和3年度「東京都と大学との共同事業」に決定され、東京都政策企画局の支援を受け実施するものです。
2021.04.23 プレスリリース 【共同発表】光を用いたスパイキングニューラルネットワークを実現~新しい脳型情報処理システムの実現をめざして~(発表主体:日本電信電話株式会社) 日本電信電話株式会社は、合原 一幸 東京大学特別教授と共同で、縮退光パラメトリック発振器(DOPO) を用いて、神経細胞の発火信号(スパイク)を模擬する人工光ニューロンを作成することに成功しました。
2021.04.14 プレスリリース 【記者発表】接着材料なしで砂同士を直接接着した建設材料の製造に成功~月面など地球外での建設への応用も期待~ #東大生研 の酒井 雄也 准教授は、セメントや樹脂などの接着成分を用いず、触媒を用いて砂同士を直接接着する技術を開発しました。製造温度は現状では240℃程度で、1000℃以上を必要とする溶融などによる方法と比べて大幅に温度の低減が可能です。必要な温度をさらに低減するための検討を進めており、エネルギー消費の低減、温室効果ガスの排出抑制が期待されます。
2021.04.02 プレスリリース 【記者発表】レンコン構造が細胞治療の鍵!? ~ヒトiPS細胞由来膵島移植による糖尿病マウスの血糖値正常化と移植片の回収に成功~ #東大生研 の竹内 昌治 教授らの研究グループは、直径6ミリメートルのレンコン状構造のハイドロゲルにヒトiPS細胞由来膵島をカプセル化した移植片を開発しました。作製した移植片を糖尿病モデルマウスに移植したところ、半年以上の長期にわたり血糖値が正常化しました。また、一年以上の移植後に移植片を癒着なく回収することに成功しました。移植片の構造やハイドロゲルの最適化により、ヒトへの臨床応用が期待されます。
2021.03.31 プレスリリース 【記者発表】広域洪水ハザードマップの主な誤差要因を特定~河川に流入する水量データの誤差低減が精度向上の鍵~ #東大生研 の山崎 大 准教授らの研究グループは、多段階の計算とデータ処理の結果導き出される「広域洪水ハザードマップ」の不確実性をもたらす主要な要因が、河川氾濫モデルへの入力となる流出量データにあることを突き止めました。入力流出量データの精度評価と選択をすることで、広域洪水ハザードマップの信頼性を大幅に改善できる可能性があります。洪水シミュレーションの高度化と、不確実性をもつ洪水リスク情報の扱い方の両面から研究を進め、洪水災害に対してレジリエントな社会の構築に貢献していきます。
2021.03.24 プレスリリース 【記者発表】大腸菌は賢く匂いを嗅ぐ~大腸菌は環境の匂い分子を最適に探知するシステムを持っている~ #東大生研 の小林 徹也 准教授らは、最適フィルター理論を用いることで、大腸菌の匂い探知システムが物理的・情報理論的に最適な感知を実現するために必要な構造を有することを初めて示しました。また、理論により予測されるフィードバック制御関数形状が、実験計測とほぼ一致することを見出しました。この結果は、大腸菌の匂い探知システムが物理的・情報論的限界を達成しうる構造を持つことを示唆するものであり、本手法は生体システムが持つ様々な機能の最適性を調べる理論的基礎となります。
2021.03.19 プレスリリース 【共同発表】ミュオグラフィの陸から海への展開(発表主体:国際ミュオグラフィ連携研究機構) 東京大学国際ミュオグラフィ連携研究機構は、#東大生研 らと共同で、海底ミュオグラフィセンサーアレイを世界で初めて設置し、東京湾における天文潮位のリアルタイム測定にはじめて成功しました。今後はセンサーアレイの拡張により、地震による津波や低気圧などによる異常波浪が東京に到達する前にイメージングできるだけではなく、東京湾に眠る天然ガス資源の探査への活用も期待されます。
2021.03.18 プレスリリース 【記者発表】海中ロボットによる海氷裏面の全自動計測に成功~ 南極海での調査に向けて大きな一歩 ~ #東大生研 の巻 俊宏 准教授らの研究グループは、海氷や棚氷の下に入り込み、全自動で航行しながら氷の裏面の形状を高精度に計測する自律型海中ロボット「MONACA」(モナカ)を開発しました。今後は更なる性能向上を図り、来年度以降に予定されている南極海への展開に備えます。南極での計測を通し、地球システムにおける南極の役割の解明を目指します。
2021.03.09 プレスリリース 【記者発表】過去の感染経験から学習する免疫系の新しい理論を構築 #東大生研 の小林 徹也 准教授らは、人工知能分野で発展の著しい強化学習の理論を応用し、免疫系が過去の感染経験から学習をする過程を扱う新しい理論を構築しました。本結果は、免疫系を脳と類似の生体学習システムとして捉え、その複雑かつ非直感的な振る舞いを包括・予測する理論基盤へと発展することが期待されます。