2022.04.14 プレスリリース 【共同発表】世界初、ミュオグラフィによる気象津波の観測(発表主体:国際ミュオグラフィ連携研究機構) 東京大学国際ミュオグラフィ連携研究機構の田中 宏幸 機構長/教授、 #東大生研 の横田 裕輔 准教授らの研究グループは、HKMSDDと呼ばれる海底ミュオグラフィセンサーアレイを用いて2021年台風16号通過に伴う、東京湾における気象津波の観測に世界で初めて成功しました。
2022.04.13 プレスリリース 【記者発表】溶液の酸性度で、ナノ粒子の凝集構造が変化~複雑な「電荷調整」の影響をシミュレーションで解明~ ナノ粒子の一部が水中で解離すると、周囲の環境に応じて粒子全体の電荷分布が変化する機構を「電荷調整」と呼びます。#東大生研 の高江 恭平 特任講師、田中 肇 東京大学名誉教授らの研究グループは、この機構をシミュレーションに取り入れることで、ナノ粒子の新たな凝集構造形成メカニズムを発見しました。また、大規模なコンピューター・シミュレーションを実行し、表面の電荷分布が不均一なナノ粒子の構造を、溶液の酸性度(pH)を変えることで制御することに成功しました。pH応答性のあるスマート材料設計や、タンパク質などの生体分子の構造と機能の関係性の理解に役立つと期待されます。
2022.04.07 プレスリリース 【共同発表】光と加熱で、金属と絶縁体を行ったり来たり-高性能な光応答イットリウム化合物薄膜を世界で初めて作製-(発表主体:東京工業大学) 東京工業大学 物質理工学院 応用化学系の清水亮太 准教授、小松遊 矢 大学院生(博士後期課程2年)、 #東大生研 のビルデマーカス 特任教授、福谷克之 教授らの共同研究グループは、イットリウム酸水素化物のエピタキシャル薄膜に紫外光を照射すると、電気抵抗が7桁以上減少し、温度依存性が金属状態になることを発見しました。また、紫外光照射と加熱により、絶縁体状態と金属状態の変換を繰り返す事に成功しました。本研究の成果を活用することで、高性能な光メモリ・スマートウィンドウ等のデバイス応用につながります。
2022.04.04 プレスリリース 【記者発表】東京大学 生産技術研究所と日立製作所が「ビッグデータ価値協創プラットフォーム工学」社会連携研究部門を設置~両者のもつ先端的技術によりビッグデータを活用し、社会課題の解決を推進~ #東大生研 と株式会社日立製作所は、2022年4月1日に「ビッグデータ価値協創プラットフォーム工学」社会連携研究部門を設置いたしました。東大生研と日立の双方が持つ英知を結集し、ビッグデータ解析基盤などの先端的情報技術を礎として、データプラットフォームによる社会課題の解決を推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
2022.03.31 プレスリリース 【共同発表】日本初!「食べられる培養肉」 の作製に成功 肉本来の味や食感を持つ 「培養ステーキ肉」 の実用化に向けて前進(発表主体:大学院情報理工学系研究科) 東京大学 大学院情報理工学系研究科の竹内 昌治 教授( #東大生研 特任教授 [学内クロス・アポイントメント])の研究グループと日清食品ホールディングス株式会社は、「食べられる培養肉」の作製に日本で初めて成功しました。
2022.03.30 プレスリリース 【記者発表】トポロジカル材料を力で操る~分子の形とねじれを制御する、独自の分子モデルで解明~ #東大生研 の高江 恭平 特任講師、名古屋大学 大学院理学研究科の川﨑 猛史 講師の研究グループは、らせん状や渦巻き状など鏡像と重ならない複数の構造を示す「トポロジカル材料」の相転移を制御するモデルを新たに提案し、トポロジカル材料の相転移で力を生み出せること、力で相転移を制御できることを明らかにしました。この結果は、電気・磁気のみならず、力学的にも機能を発揮するトポロジカル材料を設計する基礎的な物理原理を提供するものであり、アクチュエータや圧電素子などへの応用が期待されます。
2022.03.18 プレスリリース 【共同発表】セラミックス焼結のメカニズムを原子レベルで解明~粒界構造制御による新しい材料設計指針へ~(発表主体:大学院工学系研究科) 東京大学 大学院工学系研究科附属総合研究機構の幾原 雄一 教授、柴田 直哉 教授、馮 斌 特任准教授、魏 家科 客員研究員および #東大生研 の栃木 栄太 准教授のグループは、原子分解能の最先端走査透過型電子顕微鏡(STEM)と電子ビーム照射を組み合わせ、セラミックスの焼結のメカニズムを原子レベルで明らかにしました。焼結は粒界移動を伴うが、粒界移動のメカニズムが、粒界の種類(特殊粒界と一般粒界)によって全く異なることをはじめて実証しました。本発見により、焼結メカニズムや高温・応力下での変形挙動のメカニズムが明らかになり、最適合成条件、劣化挙動や寿命の予測など材料設計に有用な指針獲得が期待できます。
2022.02.24 プレスリリース 【共同発表】21世紀後半までの降水量変化予測の不確実性を低減することに初めて成功しました(発表主体:国立環境研究所) 国立環境研究所、東京大学大気海洋研究所、韓国科学技術院、#東大生研 の研究チームは、67の気候モデルによる気温と降水量のシミュレーションデータを観測データと比較することで、降水量変化予測の不確実性を低減することに世界で初めて成功しました。気候変動対策の政策決定者に対して、より正確な情報を提供できると期待されます。
2022.02.16 プレスリリース 【記者発表】生物はどこまで賢く匂いを探索するのか?~ノイズに負けない探索戦略を紐解く新理論を構築~ 東京大学 大学院情報理工学系研究科 博士課程2年の中村 絢斗 大学院生と #東大生研 の小林 徹也 准教授は、生物が匂いの源を探索する際にとるべき最適な行動制御の原理を、生物に見られるノイズや非線形性を考慮した上で扱える理論を構築し、その理論が実際の生物の探索行動を理解する上で役立つことを、大腸菌の嗅覚・運動制御系を例に示しました。生物の探索行動の最適性を議論したり、探索ロボットのような探索システムを設計したりするための理論的基礎となることが期待されます。
2022.02.02 プレスリリース 【記者発表】地球温暖化で赤い雪が広がる?~微生物が引き起こす赤雪現象を、地球まるごとシミュレーション~ #東大生研 の大沼 友貴彦 特任研究員、芳村 圭 教授と千葉大学 大学院理学研究院の竹内 望 教授の共同研究グループは、世界各地の赤雪の発生を予測する数値シミュレーションに世界で初めて成功しました。赤雪の発生は、主に降雪頻度と融雪期間に依存することが分かりました。また、地球温暖化によって赤雪の発生時期が早まり、発生地域が広がる可能性が示唆されました。今後もモデル開発を続け、赤雪がもたらす雪氷圏および気候変動への影響を評価していきます。