2021.03.18 プレスリリース 【記者発表】海中ロボットによる海氷裏面の全自動計測に成功~ 南極海での調査に向けて大きな一歩 ~ #東大生研 の巻 俊宏 准教授らの研究グループは、海氷や棚氷の下に入り込み、全自動で航行しながら氷の裏面の形状を高精度に計測する自律型海中ロボット「MONACA」(モナカ)を開発しました。今後は更なる性能向上を図り、来年度以降に予定されている南極海への展開に備えます。南極での計測を通し、地球システムにおける南極の役割の解明を目指します。
2021.03.09 プレスリリース 【記者発表】過去の感染経験から学習する免疫系の新しい理論を構築 #東大生研 の小林 徹也 准教授らは、人工知能分野で発展の著しい強化学習の理論を応用し、免疫系が過去の感染経験から学習をする過程を扱う新しい理論を構築しました。本結果は、免疫系を脳と類似の生体学習システムとして捉え、その複雑かつ非直感的な振る舞いを包括・予測する理論基盤へと発展することが期待されます。
2021.02.10 プレスリリース 【記者発表】ネットワーク状の相分離構造の新たな成長則を発見 #東大生研 の田中 肇 教授(研究当時、現:名誉教授/シニア協力員)らの研究グループは、コロイド分散系やタンパク質水溶液などにみられる、ネットワーク状の構造形成を伴う相分離に関して、これまで知られ ていなかった新たな4つ目の成長則を発見しました。この知見は、相転移現象を支配する物理法則の理解に貢献するのみならず、液体 やソフトマテリアルの相分離の産業応用や、細胞内相分離に代表される生体内における様々なパターンの形成の理解に新たな視点を与えるものと期待されます。
2021.01.28 プレスリリース 【記者発表】“フィーヨフィーヨ”特徴的な鳴き声とドローン画像からシカの時空間分布を推定 ~環境を荒らさずに野生動物を調査~ #東大生研 の沖 一雄 特任教授らは、尾瀬ヶ原に生息するシカについて、鳴き声から時空間分布を推定する手法と、夜間にドローンの熱赤外カメラを用いて全域にすむ個体数を把握する手法を開発しました。さまざまな動物の鳴き声をデータベース化し、地域に生息する動物の時空間分布を特定すれば、生物多様性の保全への貢献も期待できます。
2021.01.22 プレスリリース 【共同発表】気候変動下で増加する洪水に、ダムでの洪水調節が及ぼす影響を世界で初めて推定(発表主体:国立環境研究所) 国立環境研究所、東京大学、ミシガン州立大学からなる共同研究チームは、全球規模の気候変動影響の将来予測において、これまで考慮されてこなかった洪水軽減におけるダムの役割を推定しました。ダムでの洪水調節を見込むと、考慮しない場合と比較して21世紀中のダム下流の洪水暴露人口が世界的に約15%減少することを明らかにしました。
2021.01.14 プレスリリース 【共同発表】蚊の匂い受容体で呼気診断!? ~蚊の嗅覚受容体を用いたセンサにより0.5ppbレベルの匂いの検出に成功~(発表主体:大学院情報理工学系研究科) #東大生研 の竹内昌治教授らを中心とした研究グループは、人工の細胞膜上に蚊の嗅覚受容体を組み込んだ匂いセンサによって、呼気に混合した0.5ppbという微量のガンマーカーを嗅ぎ分けることに成功しました。感度や分子識別能力で従来技術をしのぐ匂いセンサを実現し、呼気診断や環境計測、危険物検知などへの応用を目指します。
2020.12.25 プレスリリース 【共同発表】世界一構造秩序のあるガラスの合成と構造解析に成功 ―ガラスの一見無秩序な構造の中に潜む秩序を抽出―(発表主体:京都大学) 京都大学の小野寺 陽平 助教、#東大生研 の井上 博之 教授らの研究チームは、世界一構造秩序のある永久高密度シリカガラスの合成に成功し、その構造を明らかにしました。ガラスを作る圧力と温度を精密に制御すればガラスの構造を自在に操れることが示され、高屈折ガラスや高強度ガラス、高性能光ファイバーの合成に新たな道を切り拓きました。
2020.12.17 プレスリリース 【記者発表】コロナ下で不足するN95マスクの再利用手法を開発 ~静電気体験装置でマスクの静電気を復活させ、フィルター能力を回復~ #東大生研 の杉原 加織 講師らの研究グループは、洗浄により一度失われたN95マスクの静電気をリチャージする手法を開発しました。コロナ下で供給不足のN95マスクを含めたポリプロピレンフィルターの再利用の可能性を示唆するものです。
2020.12.12 プレスリリース 【記者発表】何が合金をガラスになりやすくしているのか #東大生研 の田中 肇 教授(研究当時、現:名誉教授/シニア協力員)らの研究グループは、原子混合系のガラス形成能を決定してい る物理的な因子の解明に成功しました。この成果は、これまで経験に頼って行わ れてきた、合金のガラス形成能の向上や、相変化メモリーのスイッチング速度の 制御などに、物理的な指針を与えるとともに、結晶化という普遍的な現象の基礎 的理解にも貢献すると期待されます。
2020.12.11 プレスリリース 【記者発表】エッジAIのためのリザバーコンピューティング小型化に成功 #東大生研 の酒見 悠介 民間等共同研究員、Timothee Leleu 特任准教授、森野 佳生 特任助教(研究当時)と合原 一幸 特別教授らの研究チームは、次世代人工知能として期待されているリザバーコンピューティングに関して、予測精度を損なわずにモデルサイズを削減する手法を開発しました。本手法を用いることにより、標準的な予測タスクで最大10分の1までモデルサイズ削減可能なことを示しました。モデルサイズの削減は、ハードウェア実装の低消費電力化に繋がり、今後の人工知能の重要な応用であるエッジAIを可能にします。