講義要領

講義日程

  • 後期(H23年度は9/22より) 木曜1限(9:00〜10:30) @5134講義室
  • 9/29は休講です。1月に補講を行います(追って連絡)。

科目目的・到達目標

紫外・可視吸光分光法、赤外分光法、核磁気共鳴法など、有機化学で利用される分光法について、その原理やスペクトルの実践的解釈について学ぶ。

授業概要

有機化学において必須の分析法である紫外・可視吸光分光法、赤外分光法、核磁気共鳴法などは、いずれも分子と光(電磁波)との相互作用を巧みに利用した方法であり、目には見えない分子の姿の断片を、スペクトルという形で私たちに与えてくれる。化学者がこの断片をつなぎ合わせて分子の姿を再構成するには、各スペクトルがもつ情報を読み取る力を養うだけでなく、測定の原理や限界についても理解しておく必要がある。本講義では様々なスペクトルの実践的解釈を題材に、分子と光の相互作用について理解を深めることを目的とする。

授業計画

第1回  分子の姿をどうやって見るか
第2回  分子は何でできているか
第3回  電子をどう扱えばよいか
第4回  分子のなりたち―共有結合
第5回  分子の中で何が起きているか
第6回  分子構造をどう表すか
第7回  芳香族性とは何か
第8回  化学反応が起こるわけ
第9回  紫外・可視光の吸収
第10回  電子供与基と電子吸引基
第11回  核磁気共鳴法
第12回  電気化学的測定法
第13回  赤外線とマイクロ波の吸収
第14回  分子の分極と分子間力

評価

期末試験100%。毎回小テストを実施し,これを出席票に代えます。出席回数は原則成績に反映されませんが,試験問題は小テストを元に作成されます。

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参考書(教科書は指定しません)

物理化学全般

  • 渡辺正・北條博彦[共著]「化学・バイオがわかる物理111講」オーム社,\2940,ISBN978-4-274-20383-1
  • D.A.マッカーリ・J.D.サイモン[共著],千原秀昭・江口太郎・斎藤一弥[訳]「物理化学―分子論的アプローチ」東京化学同人(上)\5670,ISBN978-4-8079-0508-9(下)\5880,ISBN978-4-8079-0509-6

量子化学の基礎

  • 菊池修[著]「基礎量子化学」朝倉書店,\3150,ISBN978-4-254-14578-6
  • M.W.ハナ[著],柴田周三[訳]「化学のための量子力学」培風館,\3360,ISBN978-4-563-04173-1

分子軌道と分子の性質

  • 友田修司[著]「フロンティア軌道論で化学を考える」講談社,\2940,ISBN978-4-06-154332-4
  • 高塚和夫[著]「化学結合論入門 量子論の基礎から学ぶ」東京大学出版会,\2730,ISBN978-4-13-062506-7

分子の振動・回転スペクトルについて

  • 山内薫[著]「分子構造の決定(岩波講座現代科学への入門4)」岩波書店,\3400,ISBN978-4-00-011034-9

参考URL

  • ヒュッケル計算機オンラインの計算機です。英語のサイトですが操作は簡単なのでヒュッケル法のイメージをつかんだり,答えあわせをするのに役立つと思います。

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