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岡部 徹 生産技術研究所 所長 / 教授 が令和5年 春の紫綬褒章を受章

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 生産技術研究所 所長の岡部 徹 教授が、学術・芸術・スポーツ分野で著しい業績を挙げた方に授与される紫綬褒章を受章されました。心よりお慶び申し上げます。

 岡部教授は、これまで、チタンをはじめとするレアメタルの新規製造法ならびにリサイクル技術の開発研究を精力的に推進しておられます。例えば、チタン(Ti)のスクラップを、鉱石から作るバージン材(スポンジTi)よりも高純度のチタンへと再生する"アップグレードリサイクル"プロセスを世界に先駆けて提案されました。また、有害な廃液を出さずに永久磁石中のレアアースを選択的に分離・回収する新技術や、効率良く高純度かつ均一な粒度のレアメタルの粉末を製造する新手法、難溶性の白金族金属(PGMs)を、塩酸などで効率良く溶解する新技術など、既存の冶金学的技術の延長線上に無い、新しいアプローチを提案する、世界最高水準の研究成果をあげてこられました。

 上記業績により、多数の学術論文賞 (10回)、市村学術賞・功績賞(平成18年)、The ASM Henry Marion Howe Medal(米国ASM年間最優秀論文賞, 平成25年)、本多フロンティア賞(平成28年)、報公賞(平成28年)、文部科学大臣表彰 科学技術賞 研究部門 (令和3年)、東レ科学技術賞(令和3年度)など多数の賞を受賞されました。

 さらに岡部教授は、広い視野でレアメタルの普及に多角的に取り組み、アカデミアとして新たな産官学連携活動、国際ワークショップを多数、主宰し、レアメタル研究の海外への発信、一般社会に対する情報発信活動のフロンティアを自ら切り開き世界をリードしてきました。一連のアウトリーチ活動に関する業績に対し、平成31年度 文部科学大臣表彰 科学技術賞 理解増進部門が授与されました。また、電子部品スクラップ等の都市鉱山からレアメタルを環境調和型の方法でリサイクルする先駆的な研究活動および長年の取り組みが評価され、2021年にはノルウェー科学技術大学(NTNU)から名誉博士号を授与されました。

 岡部教授のこの度の受賞は、以上のレアメタルの製錬やリサイクル分野の研究、教育、啓発活動の功績が高く評価されたものです。

 この度の岡部教授のご受章を心よりお祝い申し上げますとともに、先生のご健勝と益々のご活躍を祈念しております。

(物質・環境系部門 講師 大内 隆成)

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