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【報告】第2回OHOW公開講演会開催(開催日:2022/4/22)

 2021年7月に本所が主務部局となって設立したワンヘルス・ワンワールド連携研究機構(OHOW)が、2022年4月22日(金)にウェビナー形式で第2回公開講演会を開催した。機構長である本所 竹内 渉 教授の開会挨拶ののち、本学 医学系研究科 橋爪 真弘 教授 (国際保健学)が「気候変動と健康」、本所の南 豪 准教授 (超分子材料デザイン)が「その場で誰もが簡単に測れる化学センサの実現を目指して」、本学の農学生命科学研究科 高橋 伸一郎 教授 (応用動物科学)が「『学術』研究と『生術』研究のリエゾンから生まれたOne Earth Guardians育成プログラム」と題して、それぞれ話題提供を行った。

 講演のあとの質疑応答では、アフリカや東南・南アジアで発生するマラリヤは、季節外れの降雨によってハマダラ蚊の生息域が広がって発生し、その防止には薬剤入りのカヤが有効だが、魚網に使うことで環境汚染が広がるため、リテラシーの向上が必要であることが話された。また、インクジェットプリンターでセンサー溶液を紙に印刷した疾病の簡易な診断は、東南アジアや南アジアなどでも多面展開できる実務レベルに達していること、機械学習を応用して血中アミノ酸濃度と肝臓脂質量の関係を数理的に解析し、血中アミノ酸濃度から肝臓の脂質量を予測できる可能性があること、などが話題となり、有意義な議論が行われた。

 本機構が取り扱う幅広い科学技術分野において、各論を俯瞰する良い機会となった一方で、実験室と現場、学術と応用、経験とエビデンスなど対立する価値観の二項動態化の視点が大切で、One Earth Guardians育成プログラムと連携し、100年後を見据えたWell-being回路を実現することが共通認識された。今後は6月24日の第3回公開講演会、8月3、4日のダッカ大学医学部・工学部との学生セミナー開催に向けて準備を進める予定である。

(人間・社会系部門 教授 竹内 渉)

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図上の左より、高橋教授、竹内教授、南准教授、橋爪教授

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