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野村 政宏 准教授がゴットフリード・ワグネル賞を受賞

平成30年6月26日 (火) 、ドイツ・イノベーション・アワード「ゴットフリード・ワグネル賞2018」の受賞者が発表され、東京大学 生産技術研究所の野村 政宏 准教授が受賞しました。

授賞式写真

○ゴットフリード・ワグネル賞とは
日独間の産学連携を促進することと優れた日本の若手研究者の支援を目的として、技術革新を重視するドイツ企業と在日ドイツ商工会議所により創設されました。材料、デジタル化とモビリティ、エネルギー、ライフサイエンスの4分野における、日本の45歳以下の若手研究者による革新的で応用志向型の研究が対象とされ、各分野から受賞研究が毎年1件ずつ選ばれます。

(参考)ドイツ・イノベーション・アワード

○受賞情報
テーマ:
フォノンエンジニアリングによる熱伝導制御と熱電変換エネルギーハーベスティング応用

研究成果:
熱を自在に制御する技術は、今世紀における最も重要な科学技術の1つです。社会全体で熱から無駄なくエネルギーを取り出すと同時に、さまざまな機器の放熱問題を緩和できるからです。本研究は、半導体中に特殊なナノ構造を形成することで熱の伝導特性が大きく変わることに着目し、固体中での熱の伝わり方を制御する新しい技術を実証しました。光学分野の経験を熱制御に活用する独特のアプローチによって、熱を波動的な描像と粒子的な描像で捉えて新しい分野を開拓しています。また、本賞が重要視する応用的な研究においても、ドイツ・フライブルク大学との共同研究によって、環境負荷の少ないシリコンにナノスケールの熱輸送特性を考慮して設計したナノ構造を形成することで熱電変換効率が向上することを実証し、実用的なエネルギーハーベスターとして機能させることが可能であることを示しました。エネルギー自立型デバイス用の環境発電として利用できるため、スマート社会の構築への貢献が期待できます。

○受賞コメント
この度の受賞は、本学・本所、生産技術研究奨励会を始めとする多数の方々のご支援、ご指導のおかげであり、深く感謝申し上げます。2年間の在外研究を行ったドイツに由来する賞であり、大変光栄であるとともに嬉しく思っております。今後も研究室メンバーや共同研究者の皆様と日々の研究に励むとともに、本賞の設立趣旨を踏まえまして、日独研究交流の促進にも尽力して参りたいと存じます。

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