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【報告】第15回海中海底工学フォーラム・ZERO開催 (開催日:2026/4/17)

 4月17日(金)、第15回海中海底工学フォーラム・ZERO(https://seasat.iis.u-tokyo.ac.jp/UTforum/UTforumzero15/)が、本所コンベンションホールで開催された。本フォーラムは、理学と工学の水面下の接点を探るべく、年に2回、本所(春)と本学 大気海洋研究所(秋)にて、海中海底工学に関する最新の動向を取り上げて開催されている。現地参加が基本だが、オンライン参加も可能である。今回は、現地参加が216名、オンライン参加が77名となり、現地参加への回帰が鮮明になった。

 本学 大気海洋研究所 山口 飛鳥 准教授(幹事)が開会の挨拶と前半の講演の司会を行った。本学 大学院工学系研究科 中村 謙太郎 教授による「南鳥島付近に賦存するレアアース泥の成り立ちへの考察と効率的な資源探査手法のための技術開発」に関する講演、続いて、海洋研究開発機構(JAMSTEC) 金子 達哉 研究員による「海洋掘削技術の最新のトレンド『自律化』の課題と展望」に関する講演が行われた。次に、NHK大阪放送 横山 真也 副部長による「水中鍾乳洞におけるフォトグラメトリー技術による3Dモデリング化事例の紹介と課題」に関する講演、JAMSTEC 高知コア研究所 谷川 亘 グループリーダーによる「火山噴火により桧原湖に沈んだ桧原宿のマルチビーム測深等による当時の道路や宅地と土地利用の復元」に関する講演が行われた。ことに、桧原宿(江戸時代に米沢街道の宿場の一つとして、会津領の国境近くに位置していた近世の宿場町)の調査過程で出土したキンケシ(=キン肉マン消しゴム)について、現代人類活動を示すテクノ化石として分析し、堆積環境下において物性変化により縮むという化学的特徴を突き止めたという件は、研究対象への深い情熱が聴衆へ伝わる熱弁であった。前半の最後は、1月に日本初の商用浮体式ウィンドファームとして運用が開始された「五島市沖洋上風力事業」に関して、事業代表である戸田建設株式会社の松信 隆 専門部長が、特に地方共生とサプライヤーチェーン強化の観点から、技術的・制度的課題と将来展望について力強く語った。

 休憩を挟んだ後半は、本所 巻 俊宏 准教授(幹事)の司会により、自律型水中ロボット(AUV)とセンシング技術に関する最新の話題が5件紹介された。本所 ソーントン ブレア教授による「港から発進して調査を行い自力で戻ってくるAUVの実証試験の紹介とAUVによる広域・詳細調査の将来のあり方」に関する講演、日本電気株式会社 植野 剛 プロフェッショナルによる「量子センシング技術、特に原子時計の海洋分野への応用」に関する講演、いであ株式会社 長野 和則 上級研究員による「音響機器を持たず画像情報のみにより自己位置推定手法を行うAUVおよび位置の基準点となる水中充電ステーションの開発」に関する講演、巻准教授による「首振り式マルチビームイメージングソナーとYOLOを用いた三次元位置推定に基づく、AUVによる浮体式洋上風車の係留索追従手法」に関する講演、そして、防衛装備庁Navinda de Silva無人航走体評価研究室員による「AI-based fishing net detection technology using optical sensors」(光学センサを用いたAIベースの漁網検知技術)に関する講演が行われた。最後に、巻 准教授が、次回のフォーラム等関連行事の紹介と閉会の挨拶で締めくくった。研究会後の懇談会は、参加者が100名を超え、活発な意見交換が行われ、大盛況であった。

 次のフォーラムは、10月16日(金)、大気海洋研究所2階講堂で開催いたします。皆様のご参加をお待ちしています。

(海中観測実装工学研究センター 特任研究員 杉松 治美)

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左から、立ち上がって会場からの質問に対応する山口准教授(幹事)、講演を行う巻准教授(幹事)、谷川グループリーダーと松信専門部長による講演

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左から、長野上級研究員とNavinda室員による講演、懇談会で乾杯の挨拶を行う本学 浦 環 名誉教授

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