3月25日(水)に、第33回生研フォーラム「地球観測とリスク評価を礎とした社会実装とワンヘルス・ワンワールドの共創」が、本所D棟セミナー室を拠点にハイブリッド開催された。
本フォーラムは1994年の発足以来、宇宙からの「観測」、データの「利用」、そして科学的な「評価」へと、10年ごとにその役割を深化させてきた。33回目を迎えた今回は、これら30年の歩みを「礎(いしずえ)」とし、その先にある具体的な「社会実装(Solution)」と、人間・動物・環境の健全性を一体として捉える「ワンヘルス・ワンワールド」の共創をメインテーマに掲げた。
今回は、フィリピン、タイ、インド、韓国、中国、ミャンマー、日本などから、合計29名の方々が参加、計29件の研究発表が質疑も含めて英語で行われた。特に、夕刻に行われた「若手の会」では、対面開催の利点を生かして活発な意見交換が行われ、国籍や所属を越えて次世代のネットワークが深まる貴重な機会となった。
研究発表のおよそ6割が学生によるものであったが、いずれもハイレベルな内容であり、大変聞き応えのあるものであった。発表内容は、LバンドSAR*¹や干渉SAR*²を用いた防災・インフラ監視から、農業フェノロジー*³、温室効果ガス動向、スマート農業(AWD:Alternate Wetting and Drying)の実装まで多岐にわたり、宇宙データが社会課題の解決にいかに直結し始めているかを物語っていた。研究発表のおよそ3割が衛星搭載のSARに関連するものであったが、これは近年の防災および社会実装において宇宙データ利用が飛躍的に推進していることの表れであると承知している。数年前から英語開催としたことで、北海道大学、室蘭工業大学、千葉大学、上智大学、茨城大学、本学など、国内の留学生を中心とした新規メンバーの参加が目立っており、主催者として非常に勇気づけられる結果となった。こうした成果を鑑みると、本フォーラムはリモートセンシングに関連する研究成果が広く集結する、国内外のリアル・バーチャル研究ネットワーク形成ハブとして機能しており、タイのアジア工科大学院(AIT:Asian Institute of Technology)で夏に開催している学生セミナーとともに、今後も継続していくことの意義を強く感じている。年度末のご多忙中にもかかわらず、多くの方々にご出席いただきましたことを感謝し、ここに厚く御礼申し上げる。
(人間・社会系部門 教授 竹内 渉、学術専門職員 吉本 英子)

左から、会場全体の様子、ポスターセッションの様子、若手の会のメンバー

参加者の集合写真