5月30日(金)、31日(土)に開催された「東大駒場リサーチキャンパス公開2025」において、本所 次世代育成オフィス(ONG)は、所内ボランティアグループであるSNG(Scientists for the Next Generation!)と協同で、中学生・高校生のためのプログラム「未来の科学者のための駒場リサーチキャンパス公開」及び、連携企業・団体による体験型ブースの出展を行った。さらに、小学生~高校生向けの「理科教室」にも協力し、精力的に活動を展開した。
「未来の科学者のための駒場リサーチキャンパス公開」では、全国から、過去最高となる48校約2,200名が参加し、加えて個人や少人数グループでの当日参加も多くみられ、大盛況となった。参加者は「見学おすすめマップ」を活用しながら自由に見学し、体験型学習にも積極的に参加していた。
ONGとの連携企業・団体による体験型ブース「"STEAM"を体験してみよう」では、JX金属株式会社(JX金属)、東京地下鉄株式会社(東京メトロ)、日本航空株式会社(JAL)、日本精工株式会社(NSK)の連携企業4社と、一般社団法人日本トライボロジー学会の協力を得て、地下アトリウムにてブース展示を行った。工作や模型などの体験型展示が多数用意され、小さな子どもから大人まで述べ3,500人が訪れ、大賑わいとなった。「ベアリングってなんだろう?!(NSK)」では、ベアリングの組み立て体験を通じて、部品の役割やそれが日常生活でどのように使われているかを学び、科学の面白さを実感できる内容となった。また、「JAL折り紙ヒコーキ教室」では、作った飛行機が100点の的を通過するたびに歓声があがり、「東京メトロペーパークラフト体験会」では、紙の電車を作りながら鉄道の仕事について学び、将来の職業を考える機会に繋がった。
理科教室「カッパーくんの銅なってるの?(JX金属)」では、電気・電子製品に欠かせない金属「銅」への理解を深める化学実験を通じて、科学の面白さに触れる機会となった。日本トライボロジー学会、埼玉工業大学 長谷 亜蘭 研究室と協力した「摩擦の科学×謎解きトライボロジーアドベンチャー〜でこぼこ大魔王を倒して世界を救え!〜 」では、ペーパークラフトを使って摩擦の科学を楽しく学ぶことができた。
参加者のアンケートからは、「想像していた以上の最先端技術に触れることができ、文系の私がワクワクした。」「進路を変更し、科学技術の発展について携わってみたいと感じるほどだった。」「科学技術や産業界は自分とは遠い世界だと思っていたが、実際はとても身近なものであることに驚き、勉強になった」等の感想が寄せられた。また、参加生徒及び引率教員の約80%以上が「以前より科学技術に関心を持つようになった」と回答しており、全体を通じて、参加者は学ぶことの楽しさと喜びを実感し、非常に充実した時間を過ごしたとの声が多く寄せられた。今後もONGでは、次世代の研究者たちが学びを深め、探究心を育てながら成長することをめざし、さらなる教育プログラムの充実に努めていく所存である。
最後に、ご協力いただいた各研究室の皆さま、連携企業・団体の皆さま、SNG関係者の皆さまに心より厚く感謝と御礼を申し上げる。
(次世代育成オフィス 室長・教授 大島 まり、学術専門職員 上田 史恵)
体験型ブース(左から、東京メトロ、NSK、JAL)、理科教室の様子(JX金属)
自由見学(左から、竹内 昌治 研究室、水谷 司 研究室、小倉 賢 研究室)、理科教室の様子(日本トライボロジー学会)