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【報告】東京都市大学-生産技術研究所学術連携 シンポジウム開催(開催日:2023/9/28)

 東京都市大学との学術連携の一環として、「東京都市大学-生産技術研究所学術連携シンポジウム」が9月28日(木)、本所コンベンションホールにて開催され、両大学の教職員・学生を中心に約90名の参加者があった。両者の学術連携は2010年3月に覚書が締結され、基幹技術者の育成に長年の実績をもつ東京都市大学と、最先端研究/産学連携に実績をもつ本所が、お互いの特質を生かしながら若手人材の育成や研究協力を推進することを目的としている。既に、本所の若手教員による東京都市大学での講義の担当、人材交流などが行われており、連携促進のための運営費助成ファンドも設立されている。

 シンポジウムでは冒頭、岡部 徹 所長より学術連携の経緯や意義、実績が紹介され、対面形式という特性を生かして充実した交流が行えればと挨拶が行われた。続いて、東京都市大学および本所の教員により各3件、計6件の幅広い分野にわたる研究紹介が行われた。その後、特別講演として向井 信彦 東京都市大学教授(令和4年度まで本所客員教授)が「表面自由エネルギーを基にした液滴の濡れ性表現」と題して講演し、固体と液体の分子間に働く表面自由エネルギーから導かれる2つの仕事(付着仕事と拡張仕事)を考えることで、接触角が未知の物質に対しても濡れ性を表現できる手法などが紹介されたほか、澤野 憲太郎 東京都市大学教授・本所客員教授が「ゲルマニウムに期待して」と題して講演し、結晶格子に歪みを加えたり、シリコン(Si)と混晶を作ったりすることで大きく特性を変えることができるゲルマニウム(Ge)について、実用化において重要となる結晶欠陥を減らす方法や期待されるデバイス応用などが紹介された。最後に東京都市大学 三木 千壽 学長より、各講演に対する感想や本学術連携の歴史とともに、今後も引き続き相互の特性を生かして共同研究が活発に行われることへの期待が述べられ、大変盛況なシンポジウムとなった。                       

(リサーチ・マネジメント・オフィス 次長・教授 梶原 優介、技術専門職員 前橋 至)

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左から、岡部所長による開会の挨拶、向井教授による特別講演

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左から、澤野教授による特別講演、三木学長による閉会のご挨拶

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