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岡田 恒男 名誉教授が令和4年秋叙勲 瑞宝中綬章を受章

 岡田 恒男 本学名誉教授が、令和4年秋の瑞宝中綬章を受章されました。心よりお慶び申し上げます。

 岡田先生は、オンライン地震応答実験に代表される耐震実験手法の開発ならびにこれを応用した実験的研究、既存建物の耐震診断・耐震補強技術の開発とその普及、地震被災度判定技術の開発と普及、東海地震等に対する地震防災対策、地震による被害の調査と技術支援などで、学術分野から政策提言に至るまで広く地震防災分野において社会をけん引して来られました。また、本所在職中は、1989年4月から1992年3月まで所長も務められ、その間、地震防災の分野では国際災害軽減工学研究センターの設置にも全所的立場から尽力されました。

 とりわけ耐震診断・耐震補強技術の開発・普及では、1995年兵庫県南部地震で生じた甚大な建物被害を契機に全国展開された耐震改修事業において、岡田先生が中心となって開発されてきた鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断手法が、その技術基準として適用されています。今では「耐震診断」や「耐震補強」の言葉がマスメディアだけでなく一般にも広く知られるようになりましたが、診断・補強の技術開発にとどまらず、これを促進する機運を高め、新たな建設産業分野や文化として普及・定着させた点も特筆すべき貢献です。

 また耐震実験手法の開発では、本所教員とも連携しながらコンピュータ‐アクチュエータ・オンライン地震応答実験手法の開発とその高度化に尽力されました。この手法はPseudo-dynamic test, Hybrid simulationなどとも呼ばれ、耐震工学における標準的な耐震実験手法の一つとして認知され、今日では広く世界で利用されています。

 岡田先生はますますお元気で、現在は一般財団法人 日本建築防災協会顧問として、建築防災技術の普及に引き続き尽力されています。先生のご健康を祈念いたしますとともにこの度の受章をお祝い申し上げます。

(基礎系部門 教授 中埜 良昭)


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