東京大学 生産技術研究所のHOLMES MARK JAMES 准教授、山崎 大 准教授が平成３１年度文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞しました。

＜若手科学者賞＞

HOLMES MARK JAMES 准教授

窒化ガリウム量子ドット高温動作単一光子源に関する研究

○研究内容
　窒化物半導体ナノ構造の電子状態（および状態間の遷移）や単一光子発生過程、かつその状態・過程の極限環境への適用可能性について研究を行っています。位置制御されたナノワイヤに埋め込まれたGaN量子ドットの光学特性を調べ、室温以上（摂氏７７度）での単一光子発生の測定に成功しています。本成果は、位置制御ナノワイヤ GaN 量子ドットが単一光子発生素子等の光デバイス用の材料として応用できる将来の可能性を示唆するものであり、PhysicsWorld.comをはじめ数多くの国際科学ニュース・ウェブサイトや国内新聞にも紹介されました。

○受賞コメント
　大変に光栄です。このような研究は、一人でするものではなく、グループとして行うものです。ご協力くださった方々に深く感謝しております。

山崎 大 准教授

地球規模での地表水動態の研究

○研究内容
　陸域の地表水動態を地球規模で把握することは、地球システム科学や水文水資源学など様々な学術研究分野で重要です。しかし、大陸河川の水動態は数千km規模の水収支と数m規模の地形に規定される複雑な現象であり、地球規模モデルでの表現が困難でした。本研究では、河道や氾濫原地形をサブグリッドパラメータで表現して複雑な氾濫原浸水プロセスを効率よくモデル化し、また水動態計算に必要な高精度水文地形データを地球規模で整備しました。本研究により、洪水リスク算定や地球生物科学研究での利用など全球河川モデルを用いた応用研究が実現した他、開発した高精度水文地形データは幅広い地球科学分野の基盤データとして活用されることが期待されます。

○受賞コメント
　このたびは、栄誉ある賞をいただけることになり、光栄に存じます。これまでの地表水動態の基礎研究を評価していただけたのは大変ありがたく、長期に渡ってご支援・ご協力いただいた共同研究者や学内外の関係者の方々に感謝いたします。この受賞を励みに、今後さらに努力を重ねて研究を発展させていこうと思います。