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試作工場で鞴祭りが行われました

立冬が報じられた11月8日、生研 試作工場にて毎年恒例の鞴(ふいご)祭りが催されました。鞴とは、鉄作りの炉に空気を送り込む道具で、古事記や日本書記にもその使用例が見られるほど、古来、製鉄に欠かせないものでした。鞴祭りは、初冬(旧暦または新暦の11月8日)に始まり春先まで続く鉄づくりの無事を祈り、鞴を清めて祝う祭りです。
試作工場で働く職員を中心に、十数名が大型旋盤の前にしつらえた神棚の前に集まり、鞴祭りが始まりました。神棚には、当工場において手作業で製作されていた時代のバイト(普通旋盤加工用刃物)も一緒に祀られています。現代ではほとんど使われない、繊細なカーブや曲面をもった数々のバイトを、愛おしむように扱う職員の姿が印象的でした。一同拝礼の後、池田博一技術専門職員が神棚に榊を奉奠(ほうてん)し、お祓いをして祝詞を奉読し、一連の儀式が終わりました。
「昔は午前中ずっと鉄を打って腕が動かなくなり、昼食時には箸が持てなかった。だから昼食はいつもスプーンで食べられるものだったよ」と語る40年のベテラン旋盤工のK技術専門員。
鞴祭りは鞴を休ませるとともに、鉄づくりを支える人々のねぎらいの日でもあったのも知れません。

試作工場ウェブサイトはこちらよりご覧下さい。
http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/~shisaku/

神棚には手作り時代の普通旋盤加工用刃物も飾られ...
神棚には手作り時代の普通旋盤加工用刃物も飾られ...

神棚に拝礼する職員たち
神棚に拝礼する職員たち

(文:広報室 伊地知 恵/写真:映像技術室)

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