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荒川泰彦教授が日本学士院賞を受賞

荒川泰彦

本研究所光電子融合研究センターの荒川泰彦教授・センター長が、第107回日本学士院賞を受賞されました。
日本学士院賞は明治43年(1910年)に創設され、100年以上の歴史を誇り、学術上特に顕著な研究業績に対して与えられる賞であり、ノーベル賞受賞者が多数名を連ねるわが国で最も権威ある学術賞の一つです。
今回の受賞対象の研究題目は「量子ドットとその光素子応用に関する研究」です。荒川教授は、半導体中の電子を3次元的に閉じ込める量子ドットの概念とその半導体レーザ応用を提案し、電子の運動次元を低減することが温度安定性など、レーザ諸特性が向上することを理論的に示すとともに、実験的にも実証してきました。さらに、この成果に基づいて量子ドットの結晶成長技術と光物性の探求を進め、究極の半導体レーザといわれる量子ドットレーザの産学連携研究などを通じ、その実用化に大きく貢献しました。さらに、単一の量子ドットを用いた究極の光源の研究も進め、量子ドット中の励起子物性の制御により、室温を大幅に超える高温環境下で動作する単一光子源を実現するとともに、単一の量子ドットを利得媒質としたナノ構造光共振器においてレーザ発振を達成したほか、半導体において初めて真空ラビ振動を観測するなど、固体共振器量子電磁力学の礎を築きました。
これらの研究業績は、量子力学に基づいた本格的な量子デバイスの学術的基礎とその実用化の両方に対して多大な貢献を成すものです。荒川教授は、これまで、紫綬褒章やウェルカー賞をはじめ多数の賞を受賞するとともに、米国工学アカデミー外国人会員に選出されるなど、世界的に高く評価されています。

授賞式は6月に東京・上野の日本学士院にて行われる予定です。

日本学士院賞の詳細についてはこちらをご参照ください。
http://www.japan-acad.go.jp/japanese/news/2017/031301.html

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