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アヌフリエフ ロマン 特任准教授、杉原 加織 講師が文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞

下記の通り本所の2名の教員が令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞しました。

氏名所属・役職業績名
アヌフリエフ ロマン東京大学 生産技術研究所 特任准教授レイフォノニクスによる高度な熱流制御技術に関する研究
杉原 加織東京大学 生産技術研究所 講師脂質メカノクロミックポリマーを用いたセンサ開発の研究

受賞した2名の業績内容は以下の通りです。

アヌフリエフ ロマン 特任准教授
レイフォノニクスによる高度な熱流制御技術に関する研究

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○研究内容:
 熱は方向性がなく固体中を拡散するため、制御が困難である。これまで、弾道的性を利用した熱伝導率の低減に関する研究は多くあるが、精密に位置制御されたナノ構造を利用して熱流の指向性制御を行うなどの高度な熱マネジメント技術はなかった。
 氏は、熱フォノンの弾道性に着目し、加工が容易な構造かつ実用的な室温付近で高度な熱流制御を実現することができる「レイフォノニクス」を先駆的に開拓した。これは半導体中の熱マネジメントのパラダイムシフトの起点となりうるものである。
 本研究成果は、三次元集積回路やパワー半導体などの熱マネジメントが重要な電子デバイスなどでの放熱性能の向上が期待でき、巨大な半導体産業への波及効果が期待される。

○コメント:
I am deeply honored to receive this award for my research. It is a humbling recognition of my work, dedication, and passion that I have invested into this field. I would like to express my sincere gratitude to all who helped me with my work, including my colleagues from the laboratory of Professor Masahiro Nomura, LIMMS members, researchers and advisers of the JST PRESTO program, my friends, and my family. I would also like to acknowledge the funding agencies and institutions that have supported my research. This award motivates me to continue pursuing my research with even greater zeal.

杉原 加織 講師
脂質メカノクロミックポリマーを用いたセンサ開発の研究

杉原先生230407_.jpg

○研究内容:
 ポリジアセチレンは、外部から力を加えることで色を変えたり発光したりするメカノクロミック材料である。私たちは「ナノ摩擦力顕微鏡」という技術をこの分野に導入することで、ポリマーのどこを、どの程度の力で、どの向きに押すと発光するのかという定量的、異方的、ナノスケールでの「力と発光の相関」を世界で初めて解明した。メカノクロミック素材を理解する上で核となる問いを明らかにすることで、摩擦センサ、色の変化から検査結果が分かるバイオセンサなどの開発を前進させる意義がある。

○コメント:
 このような名誉ある賞を頂いたことは大変励みになります。2020年に本所に着任して以来、多くの方に助けていただき、研究室の立ち上げや日々の実験を行って参りました。これからも、自分たちで心の底から面白いと思えるような基礎研究や、社会に役立つ応用研究を続けていきたいと思います。どうもありがとうございます。

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