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杉原 加織 講師が 第4回 輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)を受賞

 令和4年11月6日、第4回 輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)の受賞者が発表され、本所の杉原 加織 講師が、輝く女性研究者賞(科学技術振興機構理事長賞)を受賞しました。

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写真右:杉原 加織 講師

○輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)とは
 女性研究者の活躍推進の一環として、持続的な社会と未来に貢献する優れた研究等を行っている女性研究者及びその活躍を推進している機関を表彰する制度です。国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が主催し、大学や研究所の基礎研究部門だけでなく、企業における開発プロジェクトをはじめとするエンジニアリング、製品開発、及び多人数が関わった研究開発に携わる研究者や、女性研究者の活躍推進に取り組む機関など、広い分野を対象としています。

○受賞理由
 杉原 氏は、細胞膜を構成する脂質を中心にナノ材料分野において顕著な成果を上げながら、近年では抗菌効果を持つペプチドや医療用不織布マスクについても研究対象を広げている。基礎研究のみならず、商品開発プロジェクトを立ち上げ、多数の外部資金の研究リーダーを務めるなど、チャレンジ精神に満ち溢れた幅広い研究活動を行っている。
 研究以外の社会貢献においても、欧州で研究室を主催してきた自身の経験を生かしたキャリアパスに関する講演や、所属機関の女子中高生向けイベントの開催など積極的な活動を行っている。

○受賞コメント
講演 3 r.jpg 私は抗菌ペプチドを用いて、耐性菌(抗生物質が効かないバクテリア)に対する新薬開発を目指した研究を進めています。新型コロナ感染症と同様の感染力で致死率がずっと高い耐性菌パンデミックが近い将来起こるのではと危惧されており、抗菌ペプチドはそのきたる危機の有力薬候補とされていますが、副作用が高いという欠点があります。私たちは、異種の抗菌ペプチドを混合することで細菌に対する毒性が上り、人間細胞に対する毒性が下がるという「ダブル・コオペラティブ効果」を昨年発見しました。この現象の原理を解明することで、効果が高く副作用が低い安全な抗菌薬開発を目指します。

 私はこれまでのキャリアの中で、質の良い研究をすることを心がけるともに、自身の研究の製品化を目指すことで社会に役立てたり、私の経験を次の世代の特に若い女性に話すことで少しでも参考にしていただけるようにと努めてきたつもりです。このような活動を評価していただいたことは今後の大きな励みとなります。またこれらは全て、ここまで私を支えてくださった指導教官や周りの方々のおかげです。皆さまに心から感謝申し上げます。

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