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シンポジウム「流域に着目して未来を考える~地域社会の危機への総合的なアプローチ~」を開催

 本シンポジウムは、8月7日(土)、本所 加藤 孝明 教授が特任教授を務める社会科学研究所(以下、社研)「社会連携研究部門」および同「危機対応学『地域貢献見える化』事業」の主催、本所の共催で開催された。オンライン参加は計226名と大盛況であった。

 気候変動に伴って激化する気象災害、さらに地震にコロナ禍等、地球規模で災害が多発、複合化する一方で、日本では、生産人口減、超少子高齢化など、社会問題が山積し、地域社会はまさに持続性の危機に瀕している。この難局を乗り越えるための、また地域づくりの閉塞感を打破するためのヒントを得ることを目的に企画された。自治体を越えた河川流域という空間単位に着目し、従来の縦割りを超越した先駆的な取り組みを行う方々と一緒に地域の未来像を展望する議論が行われた。

 モデレーターとして社研 中村 尚史 教授(経済史)、パネリストとして加藤教授(都市計画、防災)、社研 中村 寛樹 准教授(社会工学)、外務省でのアフガニスタン支援の経験のある一般財団法人 筑後川コミュニティ財団 宮原 信孝 氏、経済学を専門とする久留米大学 駄田井 正 名誉教授(一般社団法人 筑後川プロジェクト協会)、広告・メディア系出身の西本 英雄 氏(同上)と、実に多種多彩な人材が登壇した。九州の筑後川流域で地域に根差した多様な地域づくり活動と防災を主軸とする総合的なまちづくりの先駆的事例を素材として、地域に根差した、俯瞰的かつ複線的な議論が盛り上がった。途中、休憩時間には、筑後川流域を舞台にした映画の一部が先行上映され、聴衆の涙を誘った。「経済力より文化力」、「流域の運命共同体意識」、「地域発信で上位組織を動かす」、「浸水と親水」、「温故創新」、「機能的な価値と情緒的な価値」等々、従来の価値観の転換をも含む、今後につながる多様なキーワードが得られた。

 なお、社研・社会連携研究部門では、地域づくりをテーマに文理融合、領域横断を志向した次の企画も準備中である。社研と本所の連携をぜひ楽しみにしていただきたい。

(人間・社会系部門 教授 加藤 孝明)

加藤孝明研_シンポジウム画像.jpg
オンラインシンポジウムの様子
上段(左から):中村教授、西本氏および駄田井名誉教授、加藤教授       
下段(左から):宮原氏、中村准教授、社研 田中 亘 教授(法学)による閉会の挨拶

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