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市民フォーラム「~乗って、話して、考えて~自動運転バスから、未来の柏はどう見える?」オンライン開催

 3月20日(土)オンラインにて、市民フォーラム「~乗って、話して、考えて~自動運転バスから、未来の柏はどう見える?」が開催されました。東京大学モビリティ・イノベーション連携研究機構が主催し、JSTRISTEX科学技術の倫理的・法制度的・社会的課題(ELSI)への包括的実践研究開発プログラム「ELSIを踏まえた自動運転技術の現場に即した社会実装手法の構築」の活動の一環として行われました。前週に柏の葉キャンパス駅で本機構が実証実験を進めている自動運転バスに試乗した、7名の柏在住の方がZoom上で議論を繰り広げる一方、4,500名を超える方がニコニコ生放送によるライブ配信を視聴し、1,300を超えるコメントを残しました。

 須田 義大 機構長と中野 公彦 教授からのご挨拶に続き、第1部では、BOLDLY株式会社の佐治 友基 代表取締役社長 兼 CEO、柏市交通政策課の坂齊 豊 課長、先進モビリティ株式会社の瀬川 雅也 取締役など、自動運転技術の社会実装に関わるさまざまな立場の方々が話題提供を行い、自動運転バスが走る茨城県境町の状況や、柏市が抱える諸課題、自動運転技術の活用事例などが紹介されました。この情報を受け、参加者は柏市での自動運転バスの具体的な活用方法を議論し、「既存のバス路線の最終便の後に増便として自動運転バスを活用」、「それによって飲食店の滞在時間がのび、収入が増える」、「帰路が安心になり駅から離れた場所にも住みやすくなり、まちが活性化」などのアイデアを共有しました。第2部では、上記のプログラムメンバーである中野教授、明治大学 自動運転社会総合研究所の吉田 直可 客員研究員、筑波大学システム情報系の谷口 綾子 教授から、自動運転技術の機能限界の説明と、人と車が共存する社会の条件について参加者への問いかけがなされました。これを受け、「AIの判断のルールを皆が知ることで、歩行者も含め行動を変えられる」「事故責任、サイバーテロ、運転以外に行っていた運転手の業務など、事前にさまざまな可能性を考えておくことが大事」など、自動運転が実装される場合に必要な社会の変化についての意見が参加者間で交わされました。

 市民とともに、自動運転技術のさまざまな側面を議論し続ける重要性を感じました。

(人間・社会系部門 准教授 松山 桃世)

図_市民.png
第2部パネルディスカッションの様子(左上:ファシリテーター本田 隆行 氏、右上:明治大学 吉田客員研究員、
左下:筑波大学 谷口教授、右下:中野教授)、第2部 参加者からの意見共有の様子

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