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松永 行子 講師、田中 嘉人 助教が文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞

東京大学 生産技術研究所の松永 行子 講師、田中 嘉人 助教が平成30年度文部科学大臣表彰の若手科学者賞を受賞しました。

松永 行子 講師

松永 行子 講師

ボトムアップ形成法による生体組織システム構築に関する研究

〇研究内容
再生医療分野および創薬分野において、生体の構造と機能を再現した生体組織の再構築技術が必要とされています。人体の組織が微小な組織ユニットから形成されるという事実に基づき、デバイス工学と生体材料学を融合し、構成論的アプローチによる新たな組織構築法を提案しました。微小生体組織をチップ上に集積し「生体の見える化」と称し、疾患状態での微小血管の血管新生および血管透過性等の微小動態に着目した薬剤評価系への応用展開を示しています。本研究成果は、生体組織システムの理解による生命科学への貢献、さらに、細胞組織を用いた再生医療や薬剤開発への応用など、先端医療社会実現への貢献が期待されます。

〇受賞コメント
このたびは、大変栄誉ある賞を賜り光栄に存じます。受賞に至りましたのは、ともに研究を重ねてまいりました研究室の皆様をはじめ、国内外の研究者の皆様ならびに本学関係者のご支援のおかげであり、深く感謝申し上げます。今回の栄誉を励みとし、これからもなお一層の研鑽を重ね、研究活動に精進して参りたいと存じます。

田中 嘉人 助教

田中 嘉人 助教

局在プラズモン制御による超解像光マニピュレーションの研究

〇研究内容
光の運動量変化によって生じる極微弱力(光圧)で、液体中の微粒子を破壊せずに捕まえる手法を光マニピュレーションといいます。これまでは、光の回折による物理限界のため、この手法によってナノメートルスケールで微粒子を操作することは困難でした。私は、ナノサイズの金属の形状を工夫することで、金属ナノ粒子の局在プラズモンという特性によって光圧を空間制御して、光の回折限界を打ち破る微細な光マニピュレーション法を開拓してきました。最近は、この局在プラズモンをデザインすることで自然界ではありえないユニークな光学特性を示すナノ粒子を人工的に創り出し、光照射によって駆動する光圧ナノモーターという新しい価値の創出に挑戦しています。

〇受賞コメント
このたび、これまでの研究活動に対してこのような栄誉ある賞を受賞することができ、大変光栄に存じます。受賞は、ひとえに共同研究やプロジェクト等でお世話になった学内外の関係者の方々のご指導・ご支援・ご協力に基づくものであり、これらの方々にこの場を借りて心より感謝申し上げます。今回の受賞を励みに、さらに尖った研究分野を切り拓いていきたいと考えています。

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