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ピーカンナッツによる日本の農業再生と地方創生

生産技術研究所と大学院農学生命科学研究科が、「ピーカンナッツによる農業再生と地方創生プロジェクト」を立ち上げ、岩手県陸前高田市、および菓子製造・販売会社(株)サロンドロワイヤルとの間で共同研究契約・連携協力協定を締結し、7月28日に陸前高田市役所にて調印式が行われた。

調印式
(左から)丹下健 大学院農学生命科学研究科長、藤井輝夫 生産技術研究所長、戸羽太 陸前高田市長、前内眞智子 サロンドロワイヤル社長

北米原産のクルミ科果樹、ピーカンナッツは栄養価と抗酸化作用が高く、食感の良いナッツで、米国アリゾナ州で大規模に栽培されており、世界市場で需要が高まっているだけでなく、収益性の高い農業分野としても注目されているが、現在日本では栽培されておらず年間300トンが輸入されているのみである。

生産技術研究所はUAV(無人航空機)やセンサネット技術を用いて効率的な栽培法を開発するため、大学院農学生命科学研究科はゲノムデータを基に国内栽培の最適品種を選定するために、アリゾナのNorth Bowie Farming と New Mexico State University.の協力を得て研究を進めてきた。ここに、日本のピーカンナッツ輸入量の3分の1を取り扱うサロンドロワイヤル社が参加し、陸前高田市を拠点とし、同市の復興とわが国の農業振興への寄与を目指して、今回協定を結ぶに至った。

サロンドロワイヤル社は8月1日に陸前高田市にゴールデン・ピーカン社を設立し、アリゾナ産のピーカンナッツを販売しつつ、地元の高齢者施設の協力を得て健康機能性食品の開発を行う他、同市のかさ上げ地に店舗・カフェ・加工工場を含む体験型施設の建設を計画している。今年は品種開発と市場性調査のために試験栽培を行い、2018年には苗木育成施設の設立、2020年には国産ピーカンの商用栽培開始を目指す。

陸前高田の遊休地を活用し、原料生産から加工商品製造まで一貫した拠点づくりを行うことで、国産ピーカンナッツ誕生の地として、さらにはナパバレーのワインのように陸前高田のピーカンナッツをブランド化し、地方創生のモデルとなることができるか、地元の期待も高まっており、今後の展開が大いに期待される。

共にプロジェクトに取り組んでくださる仲間を募集中!!問い合わせ先は下記。
●ピーカンナッツの農業生産に関心のある方 
 東京大学食料生産技術研究会 代表幹事 沖一雄(生産技術研究所 准教授)
 kazu@iis.u-tokyo.ac.jp
●ピーカンナッツの市場・文化づくりに関心のある方
 株式会社サロンドロワイヤル 代表取締役 前内 眞智子
 machiko-maeuchi@s-royal.com

陸前高田市の広大なかさ上げ地
陸前高田市の広大なかさ上げ地

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