施設・設備紹介
千葉実験所
千葉実験所

千葉実験所は、2017年4月1日をもって、千葉市稲毛区弥生町(本所発祥の地)から千葉県柏市にある東大柏キャンパス内に機能移転しました。千葉実験所は、大型設備を使用する試験研究や都市部では実施が困難な広いフィールドを使用する実験等を行う施設として極めて重要な役割を果たしてきました。柏キャンパスにおいても、航空機の格納庫のような大空間実験室を備えた【研究実験棟Ⅰ】、充実した海洋工学水槽施設を有する【研究実験棟Ⅱ】、ITS 関連研究に代表される大規模な屋外実験を行う【実験フィールド】、特徴的な張力バランス制御を駆使した【テンセグリティー構造モデルスペース(ホワイトライノⅡ)】等が新営され、生研の幅広い研究活動を特徴づける重要な役割を担っていきます。(写真は、千葉市稲毛区弥生町にあった旧千葉実験所の事務棟)

次世代ガイドウェイビークルに関する研究

担当
須田研究室

概要
鉄道車両をはじめとするガイドウェイビークルの運動と振動の制御に関する研究を実施している。
1/10スケールの模型車両による直線・緩和曲線・定常曲線の走行試験と実物車両の走行試験が可能な「生産技術研究所千葉試験線」を建設し、実台車を用いた走行実験を実施している。
新方式走行装置の開発、車輪-レール間の摩擦制御や車両のアクティブ制御などの研究開発を行っている。

千葉試験線における走行試験

1/10スケールモデル車両

自然エネルギー利用マルチソース・マルチユースヒートポンプシステム(MMHP)の開発

担当
加藤(信)研究室/大岡研究室

概要
気象環境や地中熱など建物周囲の多様な自然エネルギーを利用し、熱融通と蓄熱を組み合わせて、暖房、冷房、給湯、冷凍など多彩な熱利用を高効率に実現する分散型ヒートポンプ熱利用ネットワークシステムを開発し、建物における温室効果ガス排出量の大幅な削減を行う。具体的には、高密度地中熱交換コイルユニットを作製・埋設し、暖冷房・給湯設備を導入した実大実験を行っている。

System diagram

実物大模型と暴露実験によるコンクリート関連技術の開発

担当
岸研究室

概要
コンクリート表層のバリア性能を検証する技術開発のため、品質を変えた20本の橋脚で構成された模擬橋梁を設置している。また、意図的にひび割れを導入した自己治癒コンクリート製の枡形供試体の暴露実験を行い、ひび割れ自己治癒性能の検証を行っている。伊豆にも海洋暴露実験場を設けて、厳しい劣化環境下におけるコンクリートの耐久性試験を実施している。

橋脚の品質を様々に変えた模擬橋梁

自己治癒コンクリート枡形供試体

伊豆海洋暴露実験場

東京大学生産技術研究所海洋工学水槽(生産研水槽)

担当
林研究室

概要
新たな海洋空間の創出、地球規模の環境変動と海洋との関係、海洋における再生可能自然エネルギーの利用、海底石油、メタンハイドレートなどの海洋資源開発が注目されつつ広く論議されている。本施設は、長さ50m、幅10m、深さ5mの水槽を有し、波、流れ、風による人工海面生成機能を備え、変動水面におけるマイクロ波散乱、大水深海洋構造物の挙動計測など、海洋空間利用、海洋環境計測、海洋資源開発に必要な要素技術の開発に関連する実験・観測を行う。

持続可能な工業生産を目指したバイオマスリファイナリーの設計

担当
迫田研究室/望月研究室

概要
再生可能資源であるバイオマスを物質・エネルギー資源として利用する生産システム「バイオマスリファイナリー」の構築をめざし、高温高圧水反応、熱分解、微生物反応などを用いたバイオマスの工業原料化技術、燃料化技術に関する要素技術の開発を行っている。また、生成物の効果的な分離やエネルギーの自立供給が重要な課題であり、原料供給から反応、分離精製、エネルギーのカスケード利用まで一貫した、総合的なプロセス設計を念頭におき、バイオマスリファイナリーの実用化に資する研究を進めている。

スクリューフィーダー式連続高温高圧水反応装置

回分式蒸煮爆砕装置

省エネ型都市交通システム「エコライド」

担当
須田研究室/中野研究室

概要
位置エネルギー利用による低エネルギー消費・低建設コストを目標に、次世代の短距離公共交通システムとして開発している「エコライド」の有効性を実証するため、千葉実験所構内に全長約100mの試験線を敷設した。基本走行性能、公共交通システムへの適合性などを実物大の施設及び車両を用いて評価・検証を行っている。

エコライド

エクセルギー再生型次世代石炭ガス化高効率発電システム(A-IGCC/IGFC)の開発

担当
堤研究室

概要
現在、高効率の石炭発電技術として、石炭ガス化複合サイクル発電(IGCC)や石炭ガス化燃料電池複合サイクル発電(IGFC)の開発が行われている。当研究室では、発電効率をさらに飛躍的に向上するために、石炭を低温でガス化し、ガス化に必要な熱は高温ガスタービンや燃料電池の排熱を蒸気として再生利用する、「エクセルギー再生型次世代ガス化高効率発電システム(Advanced-IGCC/IGFC)」を提唱し、実現のための開発研究を進めている。

Schematic image of Advanced-Integrated coal Gasification Fuel Cell Combined Cycle and exergy conversion diagram

大型循環流動層コールドモデル用架台

鉄筋コンクリート造建築構造部材の地震時ひび割れ量進展評価実験

担当
中埜研究室

概要
鉄筋コンクリート造建築構造部材の地震時ひび割れ量(ひび割れ幅、ひび割れ長さ、剥落面積)進展過程を実験的に評価し、部材角と対応するひび割れ量進展モデルについて検討した。本実験では、梁降伏先行型の全体崩壊系となるよう耐震設計された鉄筋コンクリート造構造物を想定し、梁縮小試験体に生じる曲げせん断ひび割れの進展を詳細に追跡する静的載荷実験を行った。その結果、曲げひび割れ間隔、可視ひび割れ発生時のコンクリート歪度、曲げせん断ひび割れの進展角度移行点に着目したひび割れ長さ進展モデルを提案した。

S-90試験体正面、FS-90試験体背面

特殊電子ビーム溶解法によるシリコンの超高純度精製

担当
前田研究室

概要
太陽電池材料としてのシリコンを安価に安定して材料供給が可能なシリコンの精製方法の開発が強く望まれている。これまでに、電子ビーム溶解装置を用いて不純物(P、Sbなど)を除去し、スクラップシリコンを太陽電池級のシリコンとして再資源化する研究を行い、大いなる成果をあげてきた。これに基づき、工業規模におけるシリコンの新しい精製方法を研究している。

Polycrystalline silicon ingots

Electron beam melting equipment

張力型空間構造モデルドーム観測システム/ホワイト・ライノの建設

担当
川口(健)研究室

概要
テンセグリティシステムは圧縮材が浮遊しているような独特の外観と軽量構造への応用の可能性が知られていたが、張力バランスの制御が複雑なため実際の建築構造物に利用された例は無い。本モデルドームでは、基本的なテンセグリティ構造である3ストラットシステムの力学挙動と張力導入方法を詳細に調査することで、テンセグリティシステムを実構造物に初めて応用することに成功した。二つのテンセグリティユニットをおのおの単独で用いることにより、張力バランスを明確にし、視覚的なインパクトも活かしている。内部は、須田研究室(制御動力学)、川口(健)研究室(空間構造工学)の研究施設として利用されている。

張力型空間構造モデルドーム観測システム 外観

張力型空間構造モデルドーム観測システム 内観