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広域洪水ハザードマップの主な誤差要因を特定~河川に流入する水量データの誤差低減が精度向上の鍵~
広域洪水ハザードマップの主な誤差要因を特定~河川に流入する水量データの誤差低減が精度向上の鍵~

広域洪水ハザードマップは、多段階の計算とデータ処理の結果導き出されるため、誤差要因の特定が困難だった。東京大学 生産技術研究所の山崎 大 准教授、Xudong Zhou 特任研究員とMS&ADインターリスク総研株式会社の越前谷 渉 主任研究員からなる研究グループは、複数の入力データと統計解析手法を用いて、広域洪水ハザードマップに含まれる不確実性の解析を行い、主な誤差要因が流出量データの不確実性にあることを突き止めた。特に、山岳域と半乾燥域では推定される浸水の深さのばらつきが大きくなることを確認した。入力流出量データの精度評価と選択をすることで、広域洪水ハザードマップの信頼性を大幅に改善できる可能性がある。洪水シミュレーションの高度化と、不確実性をもつ洪水リスク情報の扱い方の両面から研究を進め、洪水災害に対してレジリエントな社会の構築に貢献していく。