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旋律を整えた赤外光で分子反応を操作
旋律を整えた赤外光で分子反応を操作

芦原 聡 准教授、森近 一貴 博士課程大学院生、櫻井 敦教 特別研究員(研究当時、現:分子科学研究所 助教)、石井 和之 教授、村田 慧 助教らのグループは、"波の形(音楽でいう旋律)"を整えた赤外光を用いて、分子振動を強く揺さぶり、分子の結合を切断すること(解離反応)に成功した。波の形を整えた赤外光をナノスケールの微小空間に集中させることにより、振動励起による解離反応を、これまで困難とされてきた溶液中で初めて実現した。本手法は、対象分子に注入するエネルギーを最小限にとどめることができる上、目的とする反応を選択的に誘起・促進できる可能性をもつ。今後、医薬・環境・エネルギーなどに関わる幅広い化学反応を対象に本手法の有効性を高め、適用範囲を広げていくことが期待される。