最新の研究
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分子の形で結晶の電気特性を制御する ~ 強誘電―反強誘電相転移を制御可能な単純な分子モデルを提案 ~
分子の形で結晶の電気特性を制御する ~ 強誘電―反強誘電相転移を制御可能な単純な分子モデルを提案 ~

結晶材料の電気的・力学的な応答、さらにそれらの結合の制御は、超音波発生装置や不揮発性メモリなど、応用上も重要な物質科学の中心テーマの一つであるが、その物理的メカニズムの理解は遅れていた。東京大学 生産技術研究所の田中 肇 教授、高江 恭平 助教の研究グループは、強誘電および反強誘電秩序を分子形状により制御可能なモデルを提案し、シミュレーションにより、相転移および応答を物理的に解明した。分子間の立体的な相互作用と電気的な相互作用との競合に着目し、電気双極子を持つ分子の形状を変えていくことで、強誘電秩序相と反強誘電秩序相の相転移を制御することに成功した。強誘電秩序相と反強誘電秩序相の相転移を示す物質、あるいは磁石を用いて、電気/磁気秩序と、変形あるいは熱応答とが結びついた交差応答を示す高機能材料開発に重要な指針を与えると期待される。