最新の研究
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全世界からの植物由来の蒸発量の把握〜水の同位体比から解き明かされる地球水循環の詳細〜世界中の蒸散量はどれくらい?地球水循環における植生活動の寄与を定量
全世界からの植物由来の蒸発量の把握〜水の同位体比から解き明かされる地球水循環の詳細〜世界中の蒸散量はどれくらい?地球水循環における植生活動の寄与を定量

植物からの蒸散は、水循環・炭素循環や地球温暖化の緩和適応を考える際の基礎情報として極めて重要です。芳村圭准教授らは、農業・食品産業技術総合研究機構農業環境変動研究センターの金元植上級研究員らとともに、新たに開発した水安定同位体比観測システム(写真)を試験水田に設置し、3年間にわたって水蒸気同位体比高頻度連続観測を行いました。その結果に基づき、全球に適用可能な蒸散寄与率推定手法を開発し、全球陸域での蒸散寄与率分布の全球平均値として57±7%という値を見積もりました。全球陸域での蒸散寄与率についてはここ数年で20%~90%とさまざまな値が発表され、大きな論争となっていたのですが、今回の観測データに基づいた値は、そういった国際的な科学論争に決着をつけるものです。