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【報告】第8回海中海底工学フォーラム・ZEROハイブリッド(開催日:2022/10/14)

 10月14日(金)、第8回海中海底工学フォーラム・ZERO(https://seasat.iis.u-tokyo.ac.jp/UTforum/)が、大気 海洋研究所 講堂にて開催された。本フォーラムは、理学と工学の水面下の接点を探るべく、年に2回、本所(春)と大気海洋研究所(秋)にて、理学と工学系の最新の動向を取り上げて開催されている。今回は、2019年10月(第2回)の開催以来3年ぶりに、約50名の講演者と参加者が会場に集い、雑談や情報交換等を行うことができた。一方で、300名を超えるオンライン参加者があり、8件の講演の質疑応答では、活発な議論が会場とオンライン上で並行して行われ、運営側はてんてこ舞いであった。

 本フォーラムでは、特別セッション「空から見る海・海底」を企画し、次世代の飛行体の技術動向を共有し、空から、あるいは空-海が連動した海中海底の各種情報収集の今後について議論する場を設けた。特別セッションは、大気海洋研究所 道田 豊教授(本フォーラム幹事)の趣旨説明に始まり、日本電気(株)橋爪 大輔ディレクターから「次世代空モビリティの最新動向」と題し「空飛ぶクルマ」の将来を俯瞰した。その後、新明和工業(株)小松 聡 課長から「空へ、海へ、無人航空機の可能性」と題し無人航空艇について、(株)スペースエンタテーメントラボラトリー橋本 武憲デベロッパーから「空から海面を、海面から海中を -飛行艇型UAVによる海洋観測-」と題し飛行艇型ドローンについて、海上保安庁海洋情報部 苅籠 泰彦 課長補佐から「空から海の「底」を見る〜航空レーザーによる水路測量〜」では航空レーザーについて、最先端の海洋調査に関する紹介がなされた。宇宙よりも地球の海底の方が近くて遠い世界に感じたという感想もあり、多くの聴衆を空から海へと誘った。

 なお、本学 大学院新領域創成科学研究科 水野 勝紀 准教授の講演「深海底の堆積物中の生物相を掘らずに視る~少し変わった音響計測システムのはなし~」で紹介された音響による深海底堆積中の生物調査プロジェクトは、第3回目の本フォーラムでの講演を契機に繋がった研究者らと一緒に立ち上げたとの事である。今後とも、研究者同士のネットワーク化に貢献できるよう関係者一同で企画立案に努めたい。                       

(海中観測実装工学研究センター 特任研究員 杉松 治美)

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左より、冒頭の挨拶を行う道田教授(本フォーラム幹事)
会場からの質問に対応する本所 巻 俊宏 准教授(本フォーラム幹事)

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特別セッション 
左より、橋爪ディレクター、小松課長、橋本デベロッパーと飛行艇型ドローン「HAMADORI3000」

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左より、オンライン参加の苅籠課長補佐による講演、水野准教授による講演


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