第73号 2024年度 I. 概要

3. 令和6年度の主な活動内容

3. 令和6年度の主な活動内容

令和6年4月に年吉洋教授が第27代所長として就任し,新しい体制での運営が開始された.本所の運営において多くの議論・意見交換の機会を生むべく,常務委員会の運営方針が変更された.具体的には,部課長会議での事前スクリーニングが十分に行われている事項については資料共有を早めに行い,原則として常務委員会会議当日の詳細説明を省略するほか,生産技術研究所名義の使用については所内規則を定めて所長決裁に変更することにより,定例議題に要する時間を削減し,所内での諸案件についての意見交換の時間を設けることを実現した.さらに,所長の私的諮問機関である所長補佐会の構成員を見直して副所長3名,所内の主たる「室」の長3名,事務執行部クラスで再編し,所の運営方針に関わる審議と意思伝達を円滑にした.その他,所長が掌握する「所長保留教員ポスト」を活用する分野を所内で募り,来る大学改革(国際卓越研究大学構想)に備えることができるよう,女性教員比率増大を加速するために,部局財源による「女性特任助教新規採用支援プログラム」制度の構築を進め,令和7年度から実施することとなった.

研究組織については,工学的アプローチによる農業,水産業を中心とした食料生産効率化のための技術開発,学際的な議論の場を通じた産官学の食料生産コミュニティの形成と人材育成,関連企業との連携による食料生産技術の実践および社会還元を目的とし,所内センターとして食料生産技術研究センターが令和6年4月に設置された.一方,次世代モビリティ研究センターは令和7年3月末に時限を迎え,令和7年4月からは急速に発展する先進的なモビリティに関する技術・システムの調和(ハーモニー)を促進し,データ活用,AIの応用,倫理的・社会的視点の考慮,エネルギー戦略や環境保護といった幅広い分野を融合させた革新的な研究を推進することによって,持続可能な未来社会の実現を目指すことを目的とした所内センターのハーモニック・モビリティ研究センターに改組され,活動を行うこととなった.寄付研究部門ならびに社会連携研究部門については,都市部における人中心の道路政策の重点化,データ,AIなど周辺条件の変化,SDGs,インクルーシブ社会,人間中心都市計画などの社会要請といった大きな変革期にあるモビリティのスマート化に対応した新たな都市内街路交通の計画・マネジメントに関わる基礎的な理論と技術の体系化と実践を目的として,都市街路スマート・モビリティ学社会連携研究部門が令和6年10月に設置された.一方,令和6年9月末に持続可能性志向インタースペース寄付研究部門が,令和7年3月末にアジア都市TOD寄付研究部門,未来志向射出成形技術社会連携研究部門,着霜制御サイエンス社会連携研究部門,IoTセンシング解析技術社会連携研究部門,ビッグデータ価値協創プラットフォーム工学社会連携研究部門が時限を迎えた.また,東大との連携を検討中の企業や大学院への進入学を考えている学生に対して,産学連携による教育・研究開発の機会をアピールするため,キャンパス公開時に本所と関わりのある企業による研究成果展示ブースを開設することについて検討を進め,令和7年度から実施することとなった.

海外との連携の推進としては,気候変動やAIなどの分野から具体の学術交流が始まり,今後さらに広く新しい分野へと交流を拡げていくことを目的とし,令和7年10月に本学と米国ノースイースタン大学との間で締結された全学協定に本所も協力部局として参画した.国内における連携の推進については,長時間洪水予測技術を用いた災害対策研究を推進し,併せて,風水害対応を高度化するため,令和7年3月に岡崎市と協定を締結した.また,本所の設立70周年記念事業として設立された科学自然都市協創連合においては,令和6年9月に長野県長野市が新たに会員として加盟した.

組織の運営に関する事項としては,令和6年11月に制定された第三者評価特別委員会要綱を受けて第三者評価特別委員会および第三者評価特別委員会ワーキンググループを設置し,令和7年度に外部評価を受けるための準備を進めた.その他,自己点検・評価関連については,教員レビュー制度によって4名のレビューを実施した.