10月30日(木)、大阪府大阪市のグラングリーン大阪にて、本所 ハーモニック・モビリティ研究センター(ITSセンター)が「ITSセミナー in 大阪 ~モビリティと環境~」を開催した。ITSセンターでは、研究成果の社会還元、地域のニーズに即したITS(Intelligent Transport Systems、高度道路交通システム)の普及促進、人材育成・交流を目的として、2006年から全国各地でセミナーを開催しており、今回はその44回目にあたる。会場60名、オンライン38名、合計98名が参加し、盛況となった。
はじめに、本所 ITSセンター 中野 公彦 センター長・教授および共催の大阪大学大学院 工学研究科 モビリティシステム共同研究講座から原 圭史郎 メンター・教授・同工学研究科附属フューチャーイノベーションセンター 副センター長による開会挨拶で幕を開けた。第1部では本学 大学院新領域創成科学研究科 先端エネルギー工学専攻システム電磁エネルギー講座 清水 修 准教授より「EVへの走行中給電と公道実証実験」、本所 ITSセンター 本間 裕大 副センター長・准教授から「数理最適化で考える脱炭素モビリティ・インフラ戦略」と題して本学の取り組みが紹介された。第2部では、原教授より「電力インフラ分野におけるフューチャー・デザイン実践」、大阪大学大学院 工学研究科環境エネルギー工学専攻 芳澤 信哉 准教授・同 モビリティシステム共同研究講座 准教授より「モビリティとエネルギーマネジメント」、大阪大学大学院 工学研究科 モビリティシステム共同研究講座 坂井 勝哉 特任講師より「モビリティの電動化と交通ネットワーク分析」、国土交通省近畿地方整備局 大阪国道事務所 志々田 武幸 所長より「大阪国道事務所の新たな挑戦」、阪神電気鉄道株式会社 山本 隆弘 執行役員・阪急阪神ホールディングス グループ開発室 DXプロジェクト推進部長・都市モビリティコンソーシアム 事務局長より「グループ共通IDデータが導く阪急阪神流TOD*¹の未来」と題して、セミナー開催地を中心に進められている様々な取り組みが紹介された。第3部では、本所 ITSセンター 大口 敬 前センター長・教授をモデレータ、第1部・第2部の講演者をパネリストとするパネルディスカッションが行われた。時代と共に変わるエネルギーやモビリティの実装とその課題について、分野を超えた深い議論が行われた。最後は、志々田所長による挨拶で幕を閉じた。
*¹ TOD(Transit Oriented Development)とは、車に頼らず、公共交通機関を中心にした都市開発もしくは沿線開発のこと。
(ハーモニック・モビリティ研究センター 特任研究員 長谷川 悠)

左から、中野教授と原教授による開会挨拶、清水准教授と本間准教授による講演

パネルディスカッションの様子、
左から、大口教授、原教授、芳澤准教授、坂井特任講師、志々田所長、山本執行役員、清水准教授、本間准教授
志々田所長による閉会挨拶、盛況となった会場の様子