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電気電子機能材料(〜2013,現在は休止中)
有機材料・高分子材料は電気・電子関連の分野で重要な役割を果たします。耐熱性低誘電率絶縁材料,燃料電池用電解質膜,ミクロスケールの金属配線形成,有機EL材料の開発などの研究を行なってきています。
・放射線グラフト重合を利用した燃料電池用高分子電解質膜の開発(Polymer, 2013, 54, 4570 )・ ポリベンズイミダゾールは燃料電池の駆動環境で安定であるため,高分子電解質膜の素材として期待されていますが,ベンズイミダゾール部位の持つ塩基性のため,プロトン移動の効率が悪いという問題をかかえます。本研究では,ポリベンズイミダゾール膜に放射線グラフト重合によりポリスチレンスルホン酸を結合させることで,プロトンがトラップされる問題を回避することに成功しました。
・多孔性共重合ポリイミド膜の作製 (Polymer 2012, 53, 1328) DAnが脂環式で誘電率が低いことに着目し,さらに多孔性にすることで有機エレクトロニクスの分野で必要とされる低誘電率膜を作製しました。
・環状ペプチドをテンプレートにした1次元配列金ナノ粒子の開発(Chem. Lett., 2013, 42, 601) 金ナノ粒子は,理論上,近接粒子間での電子の交換に関して特異な挙動を示すことが知られています。我々は,自己集合性をもつ環状ペプチドの金錯体が還元剤処理によって1次元配列した金ナノ粒子に変換されることを見出しました。
・アミノ酸側鎖の官能基を利用した光パターニングによる銀細線の形成(J. Mater. Chem., 2012, 22, 3139 ) フォトレジストによる配線形成はプロセスが多段になり,煩雑です。本研究では,システイン側鎖の硫黄官能基の銀との親和性を利用して,潜像上に直接銀線を形成させることに成功しました。
・含Alq3可溶性高分子の改良による,有機EL特性の改善(高分子論文集 2006, 63, 696) 以前報告した可溶性Alq3ポリマーは製膜性はよいものの,電子輸送性にかかわらない部位の相対的な割合が大きいために,Alq3よりも性能に劣るという問題がありました。今回,できる限り,そのような部位を減らすことで,以前よりも有機EL素子の効率が上がることを見出しました。
・有機EL用電子輸送性材料であるAlq3の可溶性高分子化(Macromol. Rapid Commun.
2004, 25, 1171)
有機EL素子は,自発光,高発光効率などの特徴をもち,ディスプレイや照明への展開が期待されています。現在,研究・開発の対象は薄膜型有機EL素子で,これはホール輸送層と電子輸送層それぞれの薄膜を重ね合わせ,その両側を薄膜電極ではさみこんだサンドイッチ構造をしており,電子輸送層としてはしばしばAlq3が用いられます。これは,熱的に安定,合成・精製が容易,エキシプレックスを形成しづらいなどの理由によります。
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