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アモルファス物質の低温物性異常の起源を解明
アモルファス物質の低温物性異常の起源を解明

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田中 肇 東京大学名誉教授(東京大学 先端科学技術研究センター シニアプログラムアドバイザー)と東京大学 生産技術研究所のフー ユアンチャオ 外国人特別研究員(研究当時)は、ボゾンピークとして知られる、アモルファス物質に普遍的にみられる振動状態の異常性の起源を解明することに成功しました。
乱れた構造を持つアモルファス物質の振動状態は、規則的な構造を持つ結晶とは大きく異なることが知られています。アモルファス物質の低温における比熱や熱伝導特性の異常性が、有限な長さを持つ一次元的なひも状の粒子の協同的な振動に起因していることを初めて明らかにしました。この発見により、構造の乱れのため結晶に比べ理解が遅れているアモルファス物質の物性の解明が大きく進むことが期待されます。