ニュース
ニュース
プレスリリース
【記者発表】東京大学モビリティ・イノベーション連携研究機構に 社会連携研究部門「データインフォームド都市・交通学」を新設 ――キックオフシンポジウムを4月23日に開催――

 2024年4月1日、国立大学法人東京大学(以下 東京大学)と阪急阪神ホールディングス株式会社は、東京大学モビリティ・イノベーション連携研究機構に、社会連携研究部門「データインフォームド都市・交通学」を設置しました。本研究部門では、近年蓄積され利用可能になってきた交通や都市に関わるデータに基づいて、東京大学の多様な研究者と企業の実務者の協働により、持続可能な都市・交通に関する分野横断的かつ実践的なデータ分析/活用方法と知識体系を構築することを目的としています。

 研究を開始するにあたり、2024年4月23日にキックオフシンポジウムを開催し、本研究部門のねらいや企画をより具体的に紹介します。さらに、鈴木 洋史 SAPジャパン株式会社 代表取締役社長、三宅 陽一郎 株式会社スクウェア・エニックス AI部 ジェネラル・マネージャー/リードAIリサーチャー(東京大学 生産技術研究所 特任教授)をお招きし、都市で収集される様々なデータを起点に、交通サービスをはじめとした都市機能の充実や施策・サービス等のトランスフォーメーションに必要な視点を広く議論します。

1. 社会連携研究部門「データインフォームド都市・交通学」の概要
 日本の都市部では、鉄道や駅を中心とした都市開発(TOD:注1)が多く見られ、人々の移動や活動が「まち」を形づくってきた歴史があります。社会連携研究部門「データインフォームド都市・交通学」では、近年蓄積され利用可能になってきた交通や都市に関わるデータと、東京大学の多様な研究者と企業の実務者の協働によって、持続可能な都市・交通に関する、分野横断的かつ実践的な、データ分析/活用方法と知識体系を構築することを目的としています。これにより、VUCA(注2)/人口減少社会においても持続可能かつ実践的な都市・交通戦略の提案や、人々のwell-being向上を実現するまちづくりやモビリティ実装が可能になることが期待されます。
 都市・交通学、情報学、データサイエンス等の工学的な知識や技術開発、適正なデータ利用に必要な法務知識、 システム工学や経営工学、人間中心設計等のUX(注3)などの分野横断的な専門性と、移動や交通の視点からの都市開発を軸とした共同研究と実践に取り組みます。

想定される成果
・都市交通事業や沿線開発による外部効果のメカニズムの解明、沿線利用者の交通行動の特性と都市活動の関係の解明 等
・都市・交通の大規模データや様々な情報を組み合わせて知見を導き出す手法の確立
・構築された知識体系の実際の都市計画/開発への適用

成果の社会還元
・都市・交通のデータ分析/知識の体系化/実践ができる研究者や実務者の育成
・産学共創のモデルケースとなり、我が国及び国際的に展開
・シンポジウム・展示・研究発表会・出版などを通し、国内外に成果を発信

組織概要
概要.png
■東京大学 モビリティ・イノベーション連携研究機構の概要
 東京大学 モビリティ・イノベーション連携研究機構は、自動運転を中心とした革新的なモビリティ研究の最先端かつ総合的な研究組織を目指して、東京大学内の8部局(研究科、研究所、センター)が連携した機構です。学の連携・融合により、モビリティ・イノベーションに資する基礎研究や知の体系化を推進するとともに、単なる社会還元を超えて学術研究と実社会が真に連携するモデルを創出し、地域社会への実装を推進します。

■東京大学モビリティ・イノベーション連携研究機構 機構長 須田 義大のコメント

須田先生.jpg モビリティ・イノベーション連携研究機構は、学の連携・融合により多様なモビリティのイノベーションを多角的に推進して参りました。今回、阪急阪神ホールディングス株式会社のご支援により社会連携研究部門「データインフォームド都市・交通学」を初めて設置することができましたので、更に研究の幅が広がり、その成果が社会に還元されていくことを期待しています。

東京大学モビリティ・イノベーション連携研究機構の詳細は、webサイト (https://utmobi.u-tokyo.ac.jp/)を御覧ください。

■阪急阪神ホールディングス株式会社の概要
 阪急阪神ホールディングスグループは、都市交通、不動産、エンタテインメント、情報・通信、旅行、国際輸送の6つのコア事業を中心に、沿線をはじめとした良質な「まちづくり」に貢献し、豊かなライフスタイルを提案する企業グループです。
 同社が推し進める「阪急阪神DXプロジェクト」では、グループ共通IDでグループ横断的に顧客データを統合し、CRM(Customer Relationship Management)の向上や事業の改善・創出に役立てています。

■データ分析ラボの概要
 データ分析ラボは、阪急阪神ホールディングスグループの顧客データ(属性、サービス利用実績等)の統合やこれによる新たな都市データの拡充を図るために、東京大学との産学連携により2021年4月に阪急阪神ホールディングス内に設立した組織です。統計解析や最新の機械学習等を適用した分析だけでなく、グループのデータを統合した顧客データ基盤構築などのデータ収集、分析結果を用いたコンサルティングやシステム化に至るまでのビジネスインテリジェンスにも深くかかわり、事業部門でのデータ活用の支援を実施しています。

■阪急阪神ホールディングス株式会社 執行役員 人事総務室・グループ開発室(DX・IT担当)野村 欣史のコメント

野村様.jpg 当社グループは、都市交通事業をベースに多岐にわたる分野において、これまでになかったサービスを次々と提供し、100年以上にわたり沿線価値の向上に努めてきました。当社グループが培ってきたまちづくりのノウハウや都市データと東京大学が持つ幅広い専門性の掛け合わせにより、地域の発展に貢献できる成果が得られることを期待しています。

阪急阪神ホールディングス株式会社の詳細は、webサイト(https://www.hankyu-hanshin.co.jp/)を御覧ください。

2. キックオフシンポジウムの概要
日時:2024年4月23日(火)13:00~15:30
会場:第一ホテル東京 5階 ラ・ローズ およびオンライン配信
主催:東京大学モビリティ・イノベーション連携研究機構
共催:阪急阪神ホールディングス株式会社
後援:東京大学 生産技術研究所

プログラム:
第一部 キックオフセレモニー 13:00~13:40
第1部.png
第二部 シンポジウム
「都市と人をつなぐデータ流通が拓く,もしかする未来の新たな地平」 13:50~15:30

第2部.png
 本キックオフシンポジウムは、学外からも参加可能です。詳細は東京大学モビリティ・イノベーション連携研究機構の公式webサイト(https://utmobi.u-tokyo.ac.jp/)に掲載します。報道目的の取材を行う来場につきましても、公式webサイトより事前予約をお願いいたします。当日は、受付にて報道関係者であることをお伝えください。名刺と引き換えにプレス用ネームカードをお渡しします。

【用語解説】
(注1) TOD
 Transit-oriented development(公共交通指向型開発)。公共交通機関に基盤を置き、公共交通の利用促進を指向する、都市開発もしくは沿線開発。

(注2) VUCA
 「Volatility」「Uncertainty」「Complexity」「Ambiguity」という単語の頭文字を取った単語で、不安定で不確実で複雑で曖昧な状況を示す。

(注3) UX
 User experience(ユーザー体験)。ユーザーがサービスや製品の利用を通じて得られるユーザーの知覚や反応といった体験の総称。

【本件に関するお問い合わせ先】
東京大学 モビリティ・イノベーション連携研究機構 事務局
E-mail:utmobi-sec(末尾に"@its.iis.u-tokyo.ac.jp"をつけてください)

東京大学 生産技術研究所 広報室
Tel:03-5452-6738
E-mail:pro(末尾に"@iis.u-tokyo.ac.jp"をつけてください)

阪急阪神ホールディングス株式会社 グループ経営企画室 広報部
Tel:06-6373-5092

月別アーカイブ