東京大学生産技術研究所エネルギーシステムインテグレーション社会連携研究部門(ESI)では、8月4日(火)に第7回ESIシンポジウムをオンラインで開催します。本シンポジウムでは、クルマの電動化の道筋とそのための充電などのインフラ整備という現実的なテーマを核として、大きく変貌しつつある交通の電動化の選択とエネルギーの融合について議論します。
○日時:2020年8月4日(火) 13:00~17:20 (受付開始 12:30)
○場所:Zoomによるオンライン開催
○参加費:無料
○詳細・お申し込み:
以下のウェブページより、お申込み下さい。
エネルギーシステムインテグレーション社会連携研究部門(ESI)ウェブサイト
*申込締切:定員に達した時点 、または2020年7月30日(木)
バッテリーと燃料電池の技術の確立により交通の電動化が鮮明になっている。欧州の完成車メーカーが将来のガソリン車販売取りやめを発表するなど、今後、化石燃料ではなく、バッテリーを用いたBEV(Battery EF)あるいは燃料電池によるFCV(Fuel Cell Vehicle)が、ガソリンなどの化石燃料を用いた車に取って代わる時代が始まっている。(両者を以下、クルマ)
エネルギー領域からみたクルマは、多面的な表情を見せる。一つは、電力の需要という最も基本的な側面であるが、これは、地理的に移動するという新たな特徴を持つ。わが国に限らず世界の電気事業は、その百年以上の歴史において、電力需要は地理的に移動しない固定されたものを前提としてきた。固定されていた黒電話が、移動する携帯電話に変わり、情報通信の利用スタイルが大きく変化したように、移動する電力需要であるクルマは既存のシステムに何を要求し、我々の生活にどんな価値を提供するだろうか。
さらに、クルマは、CASE (Connected / Autonomous / Service / Electrification) と呼ばれる一連の改革により、社会全体との関係が大幅に変化し、電動化されたクルマ、必要なエネルギーの確保という充電など加え、電力を貯め、また、それを放出して電力システムの需給調整の一部を担うというV2X(Vehicle to Everything)の機能も果たす可能性がある。これまでの、エネルギーに対するクルマの効能の検討は、理論的な机上検討や限られた実証試験の次の段階に入ると考えられる。
そこで、本シンポジウムでは、クルマの電動化の道筋とそのための充電などのインフラ整備という現実的なテーマを核として、大きく変貌しつつある交通の電動化の選択とエネルギーの融合について議論する。
○講演
自動車産業を巡る状況と政策の方向性
(経済産業省 製造産業局 自動車課 課長補佐 西野 智博)
電気自動車の普及に向けた課題と解決の道筋
(日産自動車株式会社 総合研究所 EVシステム研究所 エキスパートリーダー 松本 幹雄)
FCV開発と次世代自動車市場の創出
(トヨタ自動車株式会社 ZEVファクトリーZEV R&D Lab 森 大五郎)
利用者の目線からの電動車の導入の道筋と課題の解決
(アユダンテ株式会社 代表取締役 安川 洋)
電動車の導入普及を支えるインフラ整備
(東京電力ホールディングス株式会社 経営技術戦略研究所長 姉川 尚史)
○パネルディスカッション
パネリスト:各講演者
モデレータ:東京大学 生産技術研究所 ESI社会連携研究部門 特任教授 荻本 和彦