ニュース
ニュース
トピックス
小林 正治 准教授、水谷 司 准教授、南 豪 准教授が文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞

下記の通り本所の3名の教員が令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞しました。

氏名所属・役職業績名
小林 正治東京大学大学院工学系研究科 附属システムデザイン研究センター/生産技術研究所 准教授次世代強誘電体による革新的トランジスタおよびメモリの研究
水谷 司東京大学 生産技術研究所 附属都市基盤安全工学国際研究センター 准教授インフラの状態把握のための革新的計測情報処理技術の研究
南 豪東京大学 生産技術研究所 准教授超分子の分子認識能に基づく化学センサデバイスに関する研究

受賞した3名の業績内容は以下の通りです。


小林 正治 准教授
次世代強誘電体による革新的トランジスタおよびメモリの研究

○研究内容:
本研究は次世代強誘電体材料と新しい動作原理に基づく革新的デバイスの創出に大きく貢献しました。具体的には①強誘電体HfO2をゲート絶縁膜とする負性容量トランジスタにおいて,急峻なサブスレショルド特性により超低電圧動作するためのデバイス物理を解明しデバイス設計指針を構築、②SRAMに強誘電体HfO2キャパシタを集積した不揮発性SRAMを提案しその動作実証、③強誘電体HfO2トンネル接合メモリとIGZOをチャネルとする強誘電体HfO2をゲート絶縁膜とするトランジスタ型メモリのそれぞれで優れたメモリ動作の実証、となります。本研究の成果は、ビッグデータと機械学習を用いたデータ駆動型社会のための基盤デバイス技術として期待されます。

○コメント:
この度はこのような栄誉ある賞をいただき大変光栄です。本研究成果は、研究室のメンバー、共同研究者・機関、その他様々な関係者の皆様のご支援・ご協力なしには成し遂げることができませんでした。この場をお借りして深く御礼申し上げます。ありがとうございました。この受賞を弾みとして、さらに研究を推し進め、社会に貢献できればと考えております。

小林研究室ウェブサイト

水谷 司 准教授
インフラの状態把握のための革新的計測情報処理技術の研究

○研究内容:
都市の安全安心を高めるためには膨大な数あるインフラの状態や自然環境を広域・リアルタムに把握する必要がありますが、低コスト、低労力でそれを実現する技術は未だ存在していません。水谷准教授は既設の通信アンテナや車載して走行しながら高速にインフラの表面と内部情報を収集できる測距レーザー、地中レーダーを活用し、その計測信号を高度に全自動で処理することで、低コストで,広域かつリアルタイムでの豪雨の検知と「三次元地表地中空間情報」を国土レベルで構築する高度な技術を開発しています。本研究はインフラの状態と自然環境を把握する技術にパラダイムシフトをもたらすと期待されています。

○コメント:
大変に栄誉ある賞を受賞させて頂き、心から光栄に存じます。常日頃サポートくださっている周りの先生方や学生の皆さん、そして本学の職員の皆さまのお陰です.文部科学大臣表彰若手科学者賞という賞の名に恥じぬようにこれからも地道に研究を重ねていく所存です。

水谷 司 准教授プロフィール

南 豪 准教授
超分子の分子認識能に基づく化学センサデバイスに関する研究

○研究内容:
人工材料を設計し、分子間相互作用を活用して機能を引き出す「超分子化学」が専門です。嗅覚や味覚など生体が持つ分子認識機構を参考に、標的分子に対する人工レセプタを設計・具現化しています。さらに複数種の交差応答的人工レセプタを膜上に並べた超分子センサアレイを構築し、その光学的応答パターンを統計学や機械学習を用いて解析することで分子やイオンを検出するチップを開発してきました。金属イオン、無機・有機アニオン、アミノ酸、生体アミン、タンパク質といった、分子量や電荷に依存しない幅広い標的種を迅速に定性・定量検出できます。さらに超分子材料の実践応用を指向し、小型の電子デバイス型センサにも取り組んでおり、簡易なその場検出の実現を目指して日々研究しています。今後も異分野融合を行いながら、人々のQuality of Life 向上に貢献していきます。

○コメント:
このたびは栄誉ある本賞を過分にも頂戴し、大変光栄です。これまで研究して参りました超分子材料に関する研究をご評価いただけましたこと、とても嬉しく存じます。これはわたくしのみの力ではなく、多くの皆様に支えられての受賞でございます。平素よりご支援いただいております先生方、共同研究先企業、民間財団、事務の皆様、そして何よりも共に汗を流している当研究室メンバーの努力の賜物によるものです。この場を借りまして深く御礼を申し上げます。これからも学理の探究に粉骨砕身取り組んで参りますので、引き続きご指導・ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

南研究室ウェブサイト


関連リンク

月別アーカイブ