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豊田 正史 教授、岡部 徹 教授、中村 崇 特任教授、所 千晴 特任教授、川越 至桜 准教授が文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞

東京大学 生産技術研究所の豊田 正史 教授、岡部 徹 教授、中村 崇 特任教授、所 千晴 特任教授、川越 至桜 准教授が平成31年度文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞しました。


左から 前田 名誉教授、岡部 教授、豊田 教授、川越 准教授、所 特任教授、中村 特任教授

<科学技術賞(開発部門)>

豊田 正史 教授

スマートフォンを利用した高精度路面評価技術の開発

○研究内容
 本開発では、車両加速度・角速度・GPSを取得し,車両特性や走行速度の違いを自動的に補正して解析することで、路面の形状や管理指標を高精度に算出することを可能としました。精度の高さは公的試験等においても確認されています。さらに、多量の走行データをサーバに集約して一括処理することで広域の路面状態を準リアルタイムに可視化することに成功しました。本開発により、業務車両の日常的な走行データを大規模に収集し、道路ネットワークの状態を即座に把握することが可能となりました。ドライブレコーダ画像の機械学習処理による路面変状検知と合わせることで、舗装劣化要因の判定や補修計画の提案まで可能となりました。

○受賞コメント
 本開発は、内閣府SIP「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」プロジェクトにおいて、工学部長山先生とJIPテクノサイエンス社と共に開発を行ってきた成果が実を結び受賞したものです。私は大規模な走行データの収集、管理、準リアルタイム可視化の実現を担当し、実証実験を通じて幅広いユーザの獲得に寄与しました。本開発に携わった方々すべてに感謝の意を表したく思います。

<科学技術賞(理解増進部門)>

岡部 徹 教授
中村 崇 特任教授
所 千晴 特任教授
前田 正史(京都先端科学大学 学長)
大井 滋(JX金属株式会社 代表取締役社長)


左から 前田 京都先端科学大学 学長、岡部 教授、所 特任教授、中村 特任教授、宮林 良次 JX金属株式会社 常務執行役員(大井JX金属株式会社 代表取締役社長 代理)

非鉄金属資源循環分野の重要性や将来性の理解増進と普及啓発

○研究内容
 社会の持続的な発展には、環境を保全しながらリサイクルを推進し、資源を循環させる必要があります。
 本活動では、リサイクルの推進に不可欠である非鉄金属製錬技術を利用・発展させ、レアメタルをふくむ非鉄金属に関して新たな環境調和型リサイクル技術・システムを構築するために、同分野の専門家が情報交流を促進する場を設けるとともに、非鉄金属資源循環分野の重要性や将来性に関する理解増進と普及啓発を行ってきました。
 若手人材や専門家の啓発・育成に加え、本分野の重要性や魅力を一般社会に対して伝える啓蒙活動が多角的に展開され、高度循環型社会に不可欠な非鉄産業の重要性の理解増進と将来性の啓発に寄与したと期待されます。

○受賞コメント
 このたび、私どもが取り組んできました非鉄金属分野の重要性と将来性に関する理解増進ならびに普及啓発活動に対してこのような栄誉ある賞を受賞することができ大変光栄に存じます。一般の人には目にふれることが少ない非鉄金属分野のアウトリーチ活動を始める契機となったのは、JX金属の大井滋氏(当時、執行役員)のアイデアと強力なイニチアチブのおかげです。一連の活動を支えてくださいました関係者の方々に、この場を借りて心より感謝申し上げます。今回の受賞を励みに、これからも非鉄金属分野の重要性、将来性について広く一般社会に向けてアウトリーチし、同時に、若手人材を育成する活動を多角的に展開していきたいと考えています。

<科学技術賞(理解増進部門)>

川越 至桜 准教授

先端研究の普及とSTEAM教育を通した科学技術の理解増進

○研究内容
 Society5.0が提唱され産業構造が変化していく中、社会をデザインしイノベーションを創り出す人材育成は喫緊の課題であり、特に青少年への創造性教育が重要です。本活動では、最先端研究を題材として「科学技術と社会とのつながり」に着目した新しいSTEAM教育(科学・技術・工学・芸術(創造性)・数学を統合した教育)プログラムを開発し、青少年を対象としたワークショップや出張授業等を本所の次世代育成オフィス(ONG)を通して実施するとともに、学習教材を開発し、継続的な普及活動を行ってきました。そして、このような教育プログラムを体系化することで、研究成果を教育機能として社会還元する方向性を提示しました。科学技術は理数科目に加え社会科等も包括する題材のため、科学技術の理解増進および物事を多面的に捉えられる次世代のイノベーション人材育成に寄与しています。

○受賞コメント
 このたびは、これまでの研究活動に対して、栄誉ある賞を賜り大変光栄に存じます。受賞に至りましたのは、ともに研究活動を重ねて参りました次世代育成オフィスの皆様をはじめ、企業や学校といった学外のご関係の皆様、ならびに本学関係者の多大なるご支援・ご協力のおかげであり、心より感謝申し上げます。今回の栄誉を励みに、今後もなお一層の研鑽を重ね、次世代の夢と創造性を育むべく、研究活動に精進して参りたいと存じます。

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