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高性能ガラスシミュレーションモデルは現実を反映するか――低温液体で現れた、予期せぬ構造化――
高性能ガラスシミュレーションモデルは現実を反映するか――低温液体で現れた、予期せぬ構造化――

高性能ガラスシミュレーションモデルは現実を反映するか(1200_800).jpg

東京大学 先端科学技術研究センターの田中 肇 シニアプログラムアドバイザー(特任研究員/東京大学名誉教授、研究開始当時:東京大学生産技術研究所 教授)、及び中国科学技術大学 トン フア 准教授(研究開始当時:生産技術研究所 特任研究員)は、結晶化や相分離を起こさないように、いろいろな大きさの粒子を組み合わせることで最近開発された並外れたガラス形成能力を持つ2次元液体モデルと、粒子サイズの入れ替えを許すモンテカルロ法の組み合わせにより、この2次元液体モデルの低温液体状態の性質を詳細に調べました。その結果、ガラス転移現象解明の切り札となり得るとして、最近大きな注目を集めているこのモデル液体は、低温で特殊な秩序を持つことが明らかになり、必ずしも典型的な液体とは言えないことを発見しました。