最新の研究
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たった一部の情報から、すべての電子構造を決定――原子一つ一つの全電子構造を計測する新手法の開発に、大きな前進――
たった一部の情報から、すべての電子構造を決定――原子一つ一つの全電子構造を計測する新手法の開発に、大きな前進――

溝口先生(1200_800).jpg

東京大学 生産技術研究所 溝口 照康 教授、東京大学 大学院 工学系研究科 チェン ポーエン 大学院生、東京大学 生産技術研究所 柴田 基洋 助教、防衛大学 萩田克実 講師、東北大学 宮田 智衆 助教の研究グループは、エネルギーの高い「励起状態」にある電子についての限られた測定データ(スペクトル)さえあれば、その原子の全電子構造を決定できる手法を開発しました。スペクトルと全電子構造をそれぞれ約11万7千個ずつ計算し、その関係性をニューラルネットワークに学習させ、スペクトルから全電子構造を高精度に予測する人工知能を構築しました。さらに、100原子ほどの大きな分子に利用できる予測モデルも構築しました。本手法を発展させることで、原子一つ一つの電子構造を計測する、「原子レベル全電子構造計測」が実現し、物質開発での検査手法の開発が加速すると期待されます。