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ナノスケールの熱膨張を直接計測~温度変化による電子部品の劣化や故障の原因究明が可能に~
ナノスケールの熱膨張を直接計測~温度変化による電子部品の劣化や故障の原因究明が可能に~

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近年では電子デバイスの微細化が進み、界面における熱膨張による影響が増しており、局所的な熱膨張を直接測定する技術が求められていました。東京大学 生産技術研究所の溝口 照康 教授、大学院工学系研究科 博士課程3年のLiao Kunyen 大学院生(研究当時)、生産技術研究所の柴田 基洋 助教の研究グループは、電子顕微鏡を用いた実験とシミュレーションを組み合わせ、界面の局所的な熱膨張をナノメートルレベルで直接計測することに成功しました。すべての界面が同様な熱膨張を示すわけではなく、界面に形成される余剰の空間の大きさに依存しており、界面の原子配列を意図どおりに作製することができれば、熱膨張を制御できることが示唆されました。本手法を利用して電子部品の温度変化による劣化や故障に関する原因を理解することができれば、耐久性の優れた電子材料の開発につながると期待されます。