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界面活性剤の作る玉ねぎ構造に隠れた欠陥を発見
界面活性剤の作る玉ねぎ構造に隠れた欠陥を発見

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オニオン構造は、界面活性剤や生体膜などのソフトマテリアルから炭素などのハードマテリアルに至るまで、さまざまな物質で広く観察されている。オニオン構造の外形は完全な球体であり、あたかも点対称で継ぎ目のない内部構造を持っているかのように見えるため、オニオンの内部と外部は隔絶されていると考えられてきた。東京大学 生産技術研究所の田中 肇 教授(研究当時)、教養学部2年の 伊崎 義理 学部生(研究当時)、生産技術研究所の 栗田 玲 特任助教(研究当時)の研究グループは、界面活性剤の二分子膜が水中で形成する玉ねぎ状の多重膜構造(オニオン構造)の内部に隠れた直線状の欠陥を発見し、欠陥を通して外部とつながっていることを明らかにした。オニオン構造は薬物の輸送などへの応用が期待されており、医薬品分野をはじめとするさまざまな分野への波及効果が期待される。