最新の研究
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ネットワーク状の相分離構造の新たな成長則を発見
ネットワーク状の相分離構造の新たな成長則を発見

水と油からなるサラダドレッシングで見られるように、均一に混ざり合った液体が2つの相に相分離する際、その相分離の構造(例えば液滴の大きさ)は時間とともに大きくなる。これまで、拡散や流れにより物質が運ばれることにより構造が大きくなり、その大きくなり方が3つの基本法則(成長則)で記述できることが知られていた。今回、田中 肇 教授(研究当時、現:名誉教授/シニア協力員)と舘野 道雄 大学院生(研究当時:東京大学大学院工学系研究科 博士課程3年、現:東京大学 総合文化研究科 特任助教)の研究グループは、コロイド分散系やタンパク質水溶液などにみられる、ネットワーク状の構造形成を伴う相分離に関して、これまで知られていなかった新たな4つ目の成長則を発見した。この知見は、相転移現象を支配する物理法則の理解に貢献するのみならず、液体やソフトマテリアルの相分離の産業応用や、細胞内相分離に代表される生体内における様々なパターンの形成の理解に新たな視点を与えるものと期待される。