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液体・液体相転移を解明する流体力学の理論モデルを確立
液体・液体相転移を解明する流体力学の理論モデルを確立

近年、純粋な物質の液体には1つの状態(液体相)しか存在しないという従来の常識に反し、構造の異なる2つの液体相が存在する可能性が指摘され、注目を集めている。今回、田中 肇 教授、高江 恭平 助教の研究グループは、2つの液体相の間で行き来が起きる「液体・液体相転移」現象の流体力学理論を構築した。液体・液体相転移を特徴づける液体中の局所的に安定な構造が、流れによりどのように輸送され、液体・液体相転移にどのような影響を与えるかを明らかにした点に新規性がある。本研究は、局所構造の流れによる輸送が、液体の運動の特性に与える影響を明らかにするだけでなく、液体・液体相転移を流動により制御する上での指針を与えると期待される。