最新の研究
最新の研究
コロイドの凝集過程をきわめて精密に予測
コロイドの凝集過程をきわめて精密に予測

田中 肇 教授と博士課程の学生 舘野 道雄 氏の研究グループは、コロイド(微粒子)が凝集していく過程を、共焦点顕微鏡により1粒子分解能で、3次元的に観察することに成功するとともに、独自のシミュレーション手法により、恣意的なパラメータを一切含まずに、実験結果をきわめて正確に再現することに成功した。コロイドの凝集過程の予測は、ソフト・バイオマター分野の重要課題のひとつだが、この過程でサイズの異なる構成要素(コロイド粒子・溶媒分子)の運動が複雑に絡み合うため、理論的な取り扱いが困難だった。今回、コロイドと溶媒の運動をコンピューター上で正確に再現することで、凝集過程の精密な予測に初めて成功した。この成果は、コンピューターをベースとした、コロイド分散系を中心とするソフト・バイオマターのマテリアルデザインに新たな展開をもたらすものと期待される。