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液体シリカの正四面体構造形成に迫る~長年の議論に終止符~
液体シリカの正四面体構造形成に迫る~長年の議論に終止符~

シリカやシリコンなど、原子間の結合がネットワークを形成する傾向のある液体をX線散乱や中性子散乱で解析すると、特異な散乱ピークが観測されることが知られていた。田中 肇 教授、シー・ルイ 特任研究員の研究グループは、起源が謎であったこのピークが、液体中の正四面体構造に起因することを初めて突き止めた。「ネットワーク形成液体中では、乱雑な構造と規則的な構造が共存している」という二状態モデルに直接的な証拠を与え、構造をめぐる長年の議論に実験的に決着をつける指針を与えた。シリカ、シリコン、ゲルマニウム、カルコゲナイドなど正四面体構造を形成する物質群は、身近にあり極めて重要である。本成果は、これらの液体が示す特異的な性質の理解に大きく貢献し、地球科学、半導体科学など広範な分野に波及効果が期待される。