林真空イノベーション基金
林真空イノベーション基金

19世紀後半以降の科学技術革命を支える重要な基盤技術であった真空利用技術は、21世紀に入っても、半導体・液晶・LED・太陽光発電、原子力発電、宇宙航空等の多様な先端科学技術領域で、技術革新のコア要素技術として貢献しています。我国の科学技術の過去を振り返ってみますと、真空物理科学を基盤とする学術活動と産業界のアントレプレナーシップ・挑戦が車の両輪となって発展した事例は枚挙にいとまがありません。真空利用技術を必須のコア技術とする新しい産業分野は、今後とも、一層の拡大が期待されています。これに応えるためには、従来に増して、最新の真空科学に基づく、革新的な真空産業技術の構築と挑戦が不可欠であり、これから生み出される成果が、世界の革新的なイノベーションの基盤となることが期待されます。

林真空イノベーション基金は、このような真空応用技術の将来展望を現実のものとすることを祈念して、林 主税氏(株式会社アルバック元会長)より、東京大学基金へなされたご寄付1億円を原資として、次世代科学技術の基盤となる真空関連技術を担う若手研究者の研究奨励、真空基盤技術を活用した事業化を担う若手人材の育成、真空技術継承に繋がる活動を行うことを目的としています。

一般の方への真空利用技術の普及啓蒙や、真空利用技術に関する資料のアーカイブを目的に、生活に密着した道具を通じて真空利用を分かりやすく紹介するとともに、真空を活用した測定器から産業機器までを幅広く紹介する展示会を企画しました。

林真空イノベーション基金設立の趣旨に基づき、真空物理科学を基盤とする研究に従事するアジアからの留学生に対し、東京大学林真空イノベーション基金奨学金を支給することにより、その学術研究への取り組みを支援します。