LES研究会とは

さまざまな分野の研究者が集まりLESのモデルや計算法などの情報交換を行う場として、2008年9月にLES研究会が発足いたしました。現在2ヶ月に1回、東大生研にて研究会を開いています。LESに興味をお持ちの研究者、学生の方のご参加をお待ちしております。また研究会についてご質問ご要望がありましたら世話人までお知らせください。

世話人
半場 藤弘
東京大学生産技術研究所 基礎系部門
〒153-8505 東京都目黒区駒場4-6-1
Tel: 03-5452-6115
E-mail: hambaアットマークiis.u-tokyo.ac.jp
地図:
 東大生研へのアクセス http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/ja/access/#sec-1
 キャンパスマップ http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/ja/access/#sec-3


アナウンス

研究会のメーリングリストで開催のお知らせをお送りしています。メーリングリストへのメールアドレスの登録、変更、削除をご希望の方は、世話人までお知らせください。また、各分野のLESに関連する講演や研究会のアナウンスなどの情報交換にもメーリングリストをお使いください。

第64回LES研究会を5月11日(火)14:00より下記のとおり開催します。

日時 2021年5月11日(火) 14:00-15:30
場所 Zoomによるオンライン会議 (URLは後日メールでお知らせします)

話題提供

「乱れを含む流れの中に置かれた翼まわりの流れと発生する空力音の予測と発生メカニズムの解明」
小林典彰(大阪大学)
 乱れを含む主流中に翼などの揚力を生じる物体(リフティングサーフィス)が置かれた場合,物体まわりの流れから発生する音が,主流に乱れが無い場合と比較して,10デシベルから20デシベル程度,大幅に増大することが知られている.このような流れは,ファンの上流に障害物が設置され,その後流中の乱れを含んだ流れがファンの動翼に流入する場合,上流の風車や大気境界層中の乱れの影響を受ける風車の動翼まわりの流れなどで発生し,工学的に重要度の高い問題である.  乱れを含んだ主流中に置かれた翼から発生する音に関しては,これまでいくつかの研究成果が発表されており,たとえば,このような場合に音が大きくなる理由として,乱れによる翼の迎え角の変動による翼の揚力変動や乱れ自体から発生する音の翼表面における散乱があげられていた.しかし,これらの仮説を裏付ける具体的なデータは十分には示されておらず,音が増大する本質的な原因は明らかにされていなかった.  本研究は特殊な風洞実験と大規模な数値流体解析・数値音響解析を行い,乱れを含む主流中に置かれた翼から発生する音が増大する本質的な理由を明らかにしたものである.まず,風洞実験により翼に流入する乱れのスケールやその周波数,乱れが流入する位置を変化させることで,翼に対する乱れの通過位置をわずかに変化させた場合に翼面静圧変動や発生する音が大幅に変化することを明らかにした.次に,流れと音の数値解析により,翼の表面にすべり壁の条件を設定すると翼表面には境界層は発達しないが,境界層が発達する固着壁条件の場合よりも発生する音が大きくなることを示した.このことは,主流中の乱れ自体が翼のまわりで変化し,音が発生することを意味しており,本研究で得られた知見の中で最も重要なものである.さらに,翼まわりの流れと発生する音を詳細に調査した結果,主流中の乱れ(渦)が翼前縁の淀み点で速度が零になり,その後の加速により渦が引き伸ばされることが,乱れの中に置かれた翼(リフティングサーフィス)から発生する音が大きくなることの本質的な理由であることを明らかにした.