LES研究会とは

さまざまな分野の研究者が集まりLESのモデルや計算法などの情報交換を行う場として、2008年9月にLES研究会が発足いたしました。現在2ヶ月に1回、東大生研にて研究会を開いています。LESに興味をお持ちの研究者、学生の方のご参加をお待ちしております。また研究会についてご質問ご要望がありましたら世話人までお知らせください。

世話人
半場 藤弘
東京大学生産技術研究所 基礎系部門
〒153-8505 東京都目黒区駒場4-6-1
Tel: 03-5452-6115
E-mail: hambaアットマークiis.u-tokyo.ac.jp
地図:
 東大生研へのアクセス https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/ja/access/#sec-1
 キャンパスマップ https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/ja/access/#sec-3


アナウンス

研究会のメーリングリストで開催のお知らせをお送りしています。メーリングリストへのメールアドレスの登録、変更、削除をご希望の方は、世話人までお知らせください。また、各分野のLESに関連する講演や研究会のアナウンスなどの情報交換にもメーリングリストをお使いください。

第85回LES研究会を7月11日(金)14時より下記のとおり開催します。

日時 2025年7月11日(金) 14:00-15:30
場所 Zoomによるオンライン会議 (URLは後日メールでお知らせします)

話題提供

「「情報の保存」に基づいたSGSモデルと乱流中の因果関係」
荒木 亮(東京理科大学)
本講演では,Lozano-Duran & Arranz, Phys. Rev. Research 4, 023195 (2022) (DOI: https://doi.org/10.1103/PhysRevResearch.4.023195 )を発展させた1)情報を保存するSGSモデルと2)乱流中の因果関係とカスケードの物理機構の関係を報告する.
1)では,SGSモデルの係数を「情報の保存」から評価するデータ駆動型LESモデルを提案する.ここで「情報の保存」とは,グリッドスケールと(より低波数の)テストスケール間の局所平衡を,各スケールでのエネルギ流束の確率密度分布の「相互関係」の最大化で評価することをいう.さらに,モデルの定式化にKobayashi, Phys. Fluids (2005)に基づくコヒーレント構造関数を用いることで,アプリオリなパラメータのないSGSモデルを構築できた.
2)では,乱流中のエネルギカスケードに伴う大→小スケールへの因果関係を,情報理論の枠組みで定義される「情報流束」で解析する.エネルギ流束を分解して異なるカスケード機構に伴う因果関係を調べたところ,エネルギと情報の輸送に寄与する物理機構が一致しないことが明らかになった.講演では,これらの結果を踏まえて「乱流の情報描像」に基づいた乱流モデルの可能性についても議論したい.