駒場リサーチキャンパス公開2014(生研公開)

講演会・シンポジウム プログラム

■  2014年6月6日(金)

 

会場: 生産技術研究所 An棟2階コンベンションホール
13:00~13:50 「固体酸化物形燃料電池の大出力化・高信頼性化に向けた電極構造解析」
生産技術研究所  鹿園 直毅 教授
 
固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell: SOFC)は、燃料電池の中でも最も効率が高く、多様な燃料を利用できることから次世代の有望なエネルギー変換装置として期待されている。しかしながら、実用化のためにはコスト削減や耐久性を一層向上させる必要があり、システム、セル、電極の階層的な設計技術を高度化する必要がある。本発表では、特に電極微細構造が発電性能に与える影響に焦点を絞り、収束イオンビーム走査型電子顕微鏡(FIB-SEM)を用いた3次元電極微細構造の直接計測、格子ボルツマン法による実電極構造の分極数値シミュレーション、フェーズフィールド法を用いた電極構造変化予測等の解析方法およびその成果について紹介する。
 
14:00~14:50 「ナノの目で見る太陽電池材料」
生産技術研究所  髙橋 琢二 教授
 
太陽電池は、再生可能エネルギー用デバイスとして、今後、ますます重要になると考えられます。その製造コストの面では多結晶/微結晶材料系が有利ですが、一方で、それらの材料系特有の結晶粒界の存在が太陽電池特性に影響を与えることも懸念されています。そのような粒界付近での局所的な物性を探るには、ナノメートルレベルの高い空間分解能をもったナノプローブ手法が有効です。本講演では、我々が独自に開発している光援用ナノプローブ計測手法等を利用した太陽電池材料評価に関する研究例を紹介します。
 
15:00~15:50 「『アラブの春』は今どうなっているのか? 中東とイスラム世界の政治変動」
先端科学技術研究センター 池内  恵 准教授
 
2011年初頭から、世界の注目を集めた『アラブの春』は、今どうなっているのか。イスラム政治思想史と、中東比較政治の二つアプローチを交えて、3年間かけて進んだ政治変動の現在までを辿り、伸張するグローバルなイスラーム主義運動の動員と組織のメカニズムを解明します。また、新たなメディアを駆使して表出されるようになった、変動期の『革命の政治文化』の変遷も映像などを用いて紹介します。
 
16:00~16:50 「身近になる地球観測衛星」
先端科学技術研究センター 岩崎  晃 教授
 
衛星を使った地球観測が身近なものになりつつあります。一つはオープンフリーな高解像度データです。オープンフリーにすることでどのようなことが可能となるでしょうか?もう一つは50kgほどの超小型衛星による地球観測です。大きな望遠鏡は搭載できませんが、それなりの解像度の画像を得ることが期待されています。自分の衛星を持った場合に、どんなことをしますか?講演ではより身近になりつつある地球観測衛星について紹介します。
 
会場: 先端科学技術研究センター 4号館2階講堂
13:30~17:00 「身近なまちから創発する学問・社会リテラシー:『ぼくらはまちの探検隊』の10年を通して」
生産技術研究所 村松 伸 教授/基調講演:伊東 豊雄 氏 (建築家)
 
渋谷区立上原小学校と生産技術研究所村松研究室が協働し、2004年に始めた、小学生と大学院生・大学生によるまち探検プログラム「ぼくらはまちの探検隊」は、本年で10回目を迎えました。その成果を振り返るとともに、学問の途につき、これからの社会を歩んでいこうという将来世代に贈るリテラシーと、その教育について考えます。記念同窓会・懇親会同日開催。
講演:
 神松 幸弘 氏(京都大学フィールド科学教育研究センター研究員)
 林  憲吾 氏(総合地球環境学研究所プロジェクト研究員)
 森  玲奈 氏(東京大学大学院情報学環特任助教)
パネルディスカッション:
 ゲスト 小林 理恵子 氏(渋谷区立上原小学校長)
 司 会 田口 純子 氏(生産技術研究所村松研究室博士課程)
 
会場: 生産技術研究所 An棟4階中セミナー室1(An401,402)
15:00~17:00 「ヒト・モノ・エネルギーがつながる世界 -HEMS を核とした新しいシステムの可能性-」
東京大学エネルギー工学連携研究センター
生産技術研究所 荻本 和彦 特任教授
 
「スマートハウスはどのように見えるのか」
COMMAハウスと他の実証スマートハウスとの連携が開始され、HEMSはネットワークを形成し始めました。この動きの中で「エネルギー」「住宅設備」「IT」それぞれの視点から、HEMSの新たな可能性を紹介します。 
講演:
 岩船 由美子 氏(生産技術研究所准教授)
 小田 方平 氏((株)LIXIL総合研究所長)
 石田 慶樹 氏(日本インターネットエクスチェンジ(株)代表取締役社長)
 
会場: 先端科学技術研究センター 3号館207号室
13:00~17:00 「様々な人々に情報が行き届くには―視覚障害・聴覚障害・盲ろう・発達障害と情報保障」
バリアフリー分野 福島 智 研究室
 
バリアフリー分野福島研究室では、視覚障害、聴覚障害、盲ろう、発達障害を持つ人たちが、バリアを越え、いかに情報にアクセスするかをテーマにシンポジウムを行う。代替手段を用いて情報を行き届かせる取り組みである情報保障について、各シンポジストの実例をもとに理論・実践の両面から考えてみたい。
 

 

■  2014年6月7日(土)

 

会場: 生産技術研究所 An棟2階コンベンションホール
13:00~13:50 「新しいガラスを科学する」
生産技術研究所 井上 博之 教授
 
ガラスの歴史は古く紀元前から作り使われてきました。数千年の歴史を経て蓄積されたガラスの技術に支えられ、現在の我々の日常生活では、たくさんのガラスが使われています。このようなガラスでも、未だに解明することが難しい問題があります。本講演では、新しいガラスに焦点を当て、このガラスの特性や原子配列を解説し、このガラスの新たな可能性を紹介します。
 
14:00~14:50 「準結晶 ---結晶でもアモルファスでもない秩序構造物質」
生産技術研究所 枝川 圭一 教授
 
1984年にイスラエルのシェヒットマンによって、通常の結晶とは異なる全く新しいタイプの原子配列秩序をもった物質が発見され、準結晶と名付けられました。それまでは、固体の原子配列の秩序形態は周期性をもった結晶とそうでないアモルファスの2種類のみ存在すると信じられていました。固体の原子配列にどのような秩序形態があるかは、自然科学において基礎的で重要な問題の一つであり、準結晶の発見は自然科学史上画期的な出来事です。その功績が認められ2011年のノーベル化学賞が発見者のシェヒットマンに贈られました。本講演では準結晶の原子配列秩序の特徴、および準結晶にどのような種類があるかを解説し、この発見がいかに画期的なものであったかについてお話いたします。
 
15:00~15:50 「時代の潮流をふまえて未来に「備える」~減災・復興の観点から~」
生産技術研究所 加藤 孝明 准教授
 
メガ・ハザードの時代に突入したと言える。首都直下地震の切迫性は高まっている。また今後さらに進む気候変動に伴い大規模水害リスクも高まることが確実視される。メガ・ハザードへの備えは急務である。一方、時代の潮流は潮目を迎えている。日本は、すでに人口減社会である。首都といえども、近い将来の人口減を見据える時代に入りつつある。山を駆け上がる時代から山を下る時代に突入している。成長の時代に築き上げた都市づくり、まちづくりの方向性、方法論についても再考が必要である。本講演では、防災都市づくりの次の時代を拓くヒントと議論の素材を提供する。会場とともに大いに議論したい。
 
16:00~16:50 「異常気象:その仕組みと地球温暖化との関係」
先端科学技術研究センター 中村  尚 教授
 
2010年・2013年の猛暑や今冬の強烈な寒波など、異常気象がマスコミで採り上げられル機会が近年増えています。本講演では、まず日本に猛暑や冷夏、寒波をもたらす大気循環異常について説明し、こうした地球気候系の揺らぎと進行中の地球温暖化やその将来予測との関係についても議論します。
 
会場: 生産技術研究所 S棟アニバーサリーホール
12:30~14:00 「デザインの未来 人とモノの未来 大学の未来」
生産技術研究所 山中 俊治 教授
 
デザインとものづくりにおける環境が急速に変化するなかで、2013年4月、Prototyping & Design Laboratoryの名のもとに、 東京大学にプロトタイピングとデザインの研究室が生まれました。プロトタイプ、つまり先端技術を社会化するための研究支援手法を確立することを目的としたこの研究室では、同時に技術と美的感覚の交差に貢献する新しいタイプのデザインエンジニアを育てたいと考えています。
今回はtakram design engineeringの設立後、デザインとエンジニアリングの垣根を越えた活動を続けている田川欣哉氏と、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスで教鞭を取りつつ、Plaplaxのメンバーとしてインタラクティブアート等を発表し続けている筧康明氏を迎え、デザイン、人、そして大学の未来を考える鼎談を行います。
会場に隣接するギャラリーで開催されている「Bio-likeness ー生命の片鱗ー」展も合わせてご観覧ください。
登壇者:
 田川 欣哉(takram design engineering代表)
 筧  康明(慶應義塾大学環境情報学部准教授)
 山中 俊治(生産技術研究所教授)
 
会場: 先端科学技術研究センター 3s棟ENEOSホール
10:00~12:00 「御厨貴が聞く。メディアでは語られない、若手エリート官僚の胸の内」
先端科学技術研究センター 御厨 貴 客員教授
 
今、若手エリート官僚はこの国をどうしようと考えているのか?
ぼんやりした夢物語ではなく、復興やオリンピックなどの具体的なトピックを素材に、20代~30代若手官僚が、中堅官僚や御厨貴客員教授(情報文化社会)と議論を展開する特別公開ディスカッション。
司会:牧原出教授(政治行政システム)
 
会場: 先端科学技術研究センター 3号館207号室
14:30~16:00 手話イベント「聞こえない人と、聞こえる人の隔たりを越えるために」
バリアフリー分野福島智研究室・トライアングル金山記念聴覚障害児教育財団共催
 
手話は、聞こえない人と、聞こえる人を結ぶ視覚言語です。
聞こえる、聞こえない、手話専門家3人が、手話を用いてのコラボレーションを行います。音声言語とは異なる視覚言語を用いたコミュニケーションの特徴と、魅力をさぐります。
*手話の情報保障がつきます
 

 

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