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【詳細】

交通渋滞のメカニズムと対策

本所は1960年代後半から、日本の交通工学分野の創始期に中心的な役割を果たし、交通渋滞と道路幾何構造、交通制御などに関するパイオニア的研究を先導してきた。1980年代以降は研究の展開期に入り、高速道路のサグやトンネルを先頭にした自然渋滞メカニズムの解明、信号制御手法、交通シミュレーションなどで、数多くの研究成果を上げている。なかでも1980年代末に発表した「交通渋滞のメカニズムと対策」は、社会に大きなインパクトを与えた。この研究では、一般街路や高速道路で日常的に起こる大渋滞も、ほんのわずかな超過需要が発生させることを、実際の交通観測を通して定量的に明らかにした。このことは、裏を返せば、わずかな容量増大や需要調整(TDM)により渋滞を大幅に軽減させ得ることを示唆し、道路インフラ投資を伴わない短期的な交通運用策によっても、交通渋滞が大きく軽減できることを社会に認識させた。こうした成果は、信号制御や駐車管理、需要調整など、既存インフラ有効活用策の効果的な設計に大きな影響を与えつつある。

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[研究者プロフィール]

萌芽期
     
  越 正毅 (Masaki Koshi) (1934年〜2010年)
  当時の職位:本所第5部教授
  受賞:国際交通安全学会論文賞(1991年)、交通工学研究会論文賞(2000年)
     
     
展開期
     
  桑原 雅夫 (Masao Kuwahara) (1954年生)
  現職: 本所先進モビリティ研究センター兼任教授(本務は東北大学教授)
  受賞: 国際交通安全学会論文賞(1991年)、交通工学研究会論文賞(1992, 1995年)、土木学会論文賞(1998, 2003年)
     
     
[関連教員]

萌芽期
     
  片倉 正彦 (Masahiko Katakura) (1940年生)
  (1982年〜1985年 本所第5部助教授、1985年東京都立大学教授、2003年〜2004年本所顧問研究員)
  =交通信号制御に関する研究、道路幾何構造と交通容量に関する研究、交通事故分析
     
  大蔵 泉 (Izumi Okura) (1943年〜2003年)
  (1977年〜1978年 本所第5部講師、1978年 横浜国立大学助教授、1986年横浜国立大学教授)
  =交通安全に関する研究、道路幾何構造と交通容量に関する研究、交通信号制御
     
     
展開期
     
  赤羽 弘和 (Hirokazu Akahane) (1959年生)
  (1985年 本所第5部助手より千葉工業大学助教授、1995年 千葉工業大学教授)
  =渋滞のメカニズムと対策の提案、路上駐車管理の提案、ITSに関する研究開発、交通安全に関する研究
     
     
現在(駒場キャンパス)
     
  桑原 雅夫 (本所先進モビリティ研究センター兼任教授(本務は東北大学教授))
  =渋滞のメカニズムと対策の提案、交通信号制御に関する研究、ITSに関する研究開発、交通ネットワークシミュレーション、駐車管理政策
     
  田中 伸治 (本所都市基盤安全工学国際研究センター(ICUS)講師)
  =都市交通マネジメント、路上駐車管理方策、交通シミュレーション、ITSに関する研究開発

  東名秦野サグにおける走行実験車(車内の計測記録装置)
東名秦野サグにおける走行実験車
(車内の計測記録装置)



東名秦野サグにおける気球観測(気球に搭載したビデオカメラによる車両走行軌跡の計測)
東名秦野サグにおける気球観測
(気球に搭載したビデオカメラによる車両走行軌跡の計測)



東名秦野サグにおける気球観測(観測準備の様子)
東名秦野サグにおける気球観測
(観測準備の様子)



日光における渋滞観測(ビデオカメラによる歩行者と車両台数の計測)
日光における渋滞観測
(ビデオカメラによる歩行者と車両台数の計測)



東名秦野サグにおける気球観測(ビデオカメラを制御する架台)
東名秦野サグにおける気球観測
(ビデオカメラを制御する架台)



東名秦野サグにおける気球観測(気球に搭載されているビデオカメラ)
東名秦野サグにおける気球観測
(気球に搭載されているビデオカメラ)

   
 
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