キャンパスに溶鉱炉を建てる戻る  
           
  【詳細】

試験高炉による製鉄基本技術の開発

1954年から55年にかけ、当時の本書キャンパス(現在の千葉実験所)に、鉄鋼製錬研究の画期的新設備として試験高炉が建設された。当初は金森教授の着想による高炉湯溜吹精法による(溶銑の脱クロームの)研究設備として運用されたが、1960年頃からは舘教授の主導のもと、高炉プロセスの解明と製銑技術の発展のために活用され、日本鉄鋼業の発展期に、その中心的課題の解決に寄与した。1962年には所内の様々な分野の研究者により試験溶鉱炉委員会が組織され、各種センサの開発とそれに基づく高炉の自動制御化を推進した。微圧振動検知による高炉の送風限界の検知や、オプティカルファイバーによる高炉内の直接観察技術などの成果は、日本鉄鋼業に大きな影響を与えた。また、操業実験を通じて学生教育にも寄与した。高度成長期から現在に至るまでの高炉技術者のリーダーは、ほとんどがこの操業実験の経験者であり、研究上の貢献のみならず産業界に対する人的貢献も極めて大きい。

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[研究者プロフィール]

萌芽期
     
金森 九郎 (Kuro Kanamori) (1907年〜1977年)
開発時の職位:本所第4部教授
所外の主な職歴:富士製鉄釜石製鉄所副所長
受賞など:正四位、勲四等旭日小綬章(1977年)
   
松下 幸雄 (Yukio Matsushita) (1941年〜2009年)
開発時の職位:本所第4部助教授〜本学工学部金属工学科教授
受賞など:日本鉄鋼協会製鉄功労賞(1990年)、日本鉄鋼協会俵賞(2006年)、勲三等旭日中綬章(1993年)
     
展開期
     
雀部 高雄 (Takao Sasabe) (1912年〜1967年)
当時及び最終職位:本所第4部教授
   
舘 充 (Mitsuru Tate) (1922年生)
当時の職位:本所第4部教授
所外の主な職歴:千葉工業大学教授
受賞など:日本鉄鋼協会製鉄功労賞(1995年)
   
   
現 在(駒場キャンパス)
   
前田 正史 (東京大学理事・副学長)
=環境調和型の金属・半導体製造プロセス開発
森田 一樹 (本所サステイナブル材料国際研究センター教授)
  1955年創設当時の高炉設備全景
1955年創設当時の高炉設備全景


1955年創設当時の高炉外観 1959年の高炉外観
1955年創設当時の高炉外観     1959年の高炉外観


アルミナペブル充填蓄熱式熱風炉外観(1970年)
アルミナペブル充填蓄熱式熱風炉外観(1970年)


第27次操業の記念写真(1977年)
第27次操業の記念写真(1977年)


1981年の高炉設備全景
1981年の高炉設備全景
   
 
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