*研究トピックス*

更新:2017年11月17日


1つのナノ粒子がセンサに
 当研究室では以前、分光器がなくても使える電位走査型LSPRセンサを開発した (2015年)。今回はこれを発展させ、1つ1つの金属ナノ粒子でセンシングができるようにした (メルボルン大学Mulvaneyグループとの共同研究)。[2017年 JPCL誌速報

光触媒で夜間も悪臭を除去
 当研究室ではエネルギー貯蔵型光触媒を開発してきた。それにより、メタノールやホルムアルデヒドなどの炭素原子1つを持つ分子を二酸化炭素に酸化して無害化できることを報告してきたが、今回、アセトアルデヒド、酢酸、アセトンなど、炭素原子を2つ以上持つ分子も二酸化炭素に酸化して、無臭化できることを明らかにした。[2016年 PCCP誌

光の波長より小さな粒子を部分加工
 プラズモン誘起電荷分離(PICS)現象を利用して、銀ナノキューブの上部のみ、または下部のみを選択的に酸化溶解する技術を開発した。高密度情報記録などへの応用が期待される。本現象は、熱正孔が銀イオンとして放出される現象だと解釈される。[2016年 JPCL誌速報

表と裏で任意の色を呈する透明膜 [Movies!]
 金属ナノ粒子がプラズモン共鳴という現象によって特定の色の光を強く散乱するという性質を利用し、薄い膜の表と裏を、好みの色に発色させる技術を開発した。膜内の適切な場所に、適切な材質と形をもつ粒子を埋め込むことで、表から光があたるとある粒子が、裏からだと別の粒子が、異なる色の光を散乱するように設計した。偽造防止・真偽認証などのほか、意匠性色材などへの応用が期待される。[2016年 ACS Photonics誌速報

プラズモン誘起電荷分離の酸化電位
 当研究室で見出したプラズモン誘起電荷分離(PICS)現象は、光エネルギーによって正と負の電荷を分け、それぞれ酸化反応・還元反応に利用できる。国内外で広く研究され、光電変換や光触媒への応用が試みられているが、PICSの可能性と限界を知るうえで最も重要な「酸化力」については詳しく調べられていなかった。我々は、最も標準的な「金ナノ粒子と酸化チタンの組み合わせ」におけるPICSの酸化力について、金の酸化溶解と金の水酸化(すいさんか)という反応を利用して、詳しく調べた。その結果、溶液のpHと光の波長によって酸化力を制御できることがわかった。[2016年 Angew Chem Int Ed誌速報

近赤外調光ガラス
 プラズモン共鳴ナノ粒子といえば貴金属のものが大半だが、最近では化合物ナノ粒子も注目されつつある。我々は近赤外域でプラズモン共鳴を示す硫化銅ナノプレートに注目し、これを電気化学的に酸化・還元することで、プラズモン共鳴をON/OFFできるようにした。見た目にはいずれもほぼ透明だが、ON状態では近赤外線を吸収、OFFでは透過する。窓ガラスに使えば、暑い日はON、寒い日はOFFにして温度調節できる。スイッチングは数秒程度と速い。静電的にON/OFFするデバイスは報告されていたが、酸化還元反応を用いることで、ほぼ完全にOFFできるようになった。[2016年 Nanoscale誌速報

透明映写スクリーン
 当研究室では、通常は透明だが、プロジェクタなどで投影した画像を映写できるスクリーンを開発した。類似のスクリーンは他にもあるが、銀ナノキューブのプラズモン共鳴を高屈折率膜により制御することで、単層の粒子でも十分に光を散乱できるようになった。[2015年 Nanoscale誌速報

分光器の不要なLSPRセンサ
 金属ナノ粒子に「鍵穴物質」をつけると、「鍵物質」が鍵穴に入ったとき、ナノ粒子の色がわずかに変化するため、鍵物質に対するセンサとなる。これがLSPRセンサで、特定のアレルゲンやウイルス、DNAなどを検出できる。ところで、従来のLSPRセンサは色の変化を測るため、分光器を必要とした。いろんな色の光をあて、どの色の光を吸収するかを調べるのだ。しかし分光器は大きく高価で、小さいものは性能が低い。そこで我々は、金属ナノ粒子の「電子を出し入れすると色が変わる」性質を利用した。一つの色の光をあて、粒子がどれくらい電子を持っているときにその光を吸収するかを調べることで、従来と同様にセンシングできるのだ。つまり、光の波長の代わりに粒子の電位をスキャンする電位走査型センサである。分光器が不要で、小さく安価になる。[2015年 ACS Nano誌

表と裏で散乱色の異なる透明膜 [Movie!]
 透明な膜が色を持つとき、ふつうは表と裏で同じ色だ。しかし我々が開発した膜は、室内光の下ではほぼ透明だが、強めの光を当てると光を散乱し、その色が、表は青で裏は黄色である。ちなみに、反射光の色は表が黄色で裏が青、透過光はいずれも赤色である。プラズモン共鳴の特殊な性質を利用したこの材料は、酸化チタンと銀ナノキューブを組み合わせて作った。膜厚やキューブのサイズなどを変えれば、裏の散乱色を赤にしたり、表と裏のいずれも黄色にしたりできる。意匠性材料や偽造防止技術などへの応用が考えられる。[2015年 Adv. Opt. Mater.誌速報

量子ドット太陽電池の効率をプラズモンで向上
 東大先端研の瀬川・久保グループと共同で、化学合成PbS量子ドットとZnOナノワイヤからなるバルクへテロ接合太陽電池にプラズモン共鳴銀ナノキューブを導入することにより、エネルギー変換効率を4.5%から6.0%に向上させることに成功した。特に、量子ドット太陽電池の吸収が低い、赤色域から近赤外域での光電流を改善することができた。[2015年 ACS Nano誌

色や濁りのある試料にも使えるLSPRセンサ
 免疫センサなど、物質どうしの選択的な結合に基づくセンサとして、金属薄膜を使うSPRセンサ(いわゆるプラズモンセンサ)が普及している。これに対して金属ナノ粒子を使うLSPRセンサは、小型・低価格化が期待されているが、試料溶液に光を通す必要があるため、色や濁りを持つ試料には適用しにくい。そこで、以前見出したプラズモン誘起電荷分離(PICS)を利用して、電気信号を直接することで、試料溶液に光を通す必要のないLSPRセンサを開発した。電位応答センサと導電率応答センサの二種類がある。コーヒーなどの、色や濁りを持つ試料にも使うことができた。[2015年 Chem Commun 誌速報

金クラスター固体光電変換セル
 当研究室では、金クラスターを増感剤とした光電変換を提案したが、電解液を使うという欠点があった。そこで、酸化チタンの上に金クラスターを固体膜として積層したヘテロ接合固体セルを開発した。[2014年 Appl Phys Lett 誌速報

プラズモン誘起電荷分離を単一粒子で観測
 当研究室では、プラズモン共鳴ナノ粒子から半導体への電子移動によって起こること(プラズモン誘起電荷分離、PICS)を見出した。最近では国内外で多数のグループがPICSについて研究している。本研究では、酸化チタンの上に三角の金ナノプレートを析出させ、ケルビンプローブフォース顕微鏡(KFM)でナノプレートの電位を観測した。その結果、酸化チタンを励起すれば酸化チタンから金に電子が移動し、金を励起すれば金から酸化チタンに電子が移動することをナノレベルで初めて確認した。[2014年 Adv Mater Interfaces 誌同誌裏表紙に採用

任意の波長で測れるLSPRセンサ
 金属ナノ粒子の吸収ピーク波長は、周囲の屈折率によって変化する。これを利用すると、免疫センサをはじめとするバイオセンサや化学センサに応用できる。測定に利用する光は、試料溶液に吸収されない波長を選ぶべきだが、そのためには、特定のサイズと形を持つ粒子を合成しなければならなかった。我々は発想を逆転させ、サイズや形状が不揃いな粒子群に特定波長の強い光を当てることで除去し、吸収のピークではなくディップ(谷)を作り、そのシフトによって測定を行うセンサを発案し、実証した。[2014年 Nanoscale 誌

金クラスター+金ナノ粒子
 当研究室では、金クラスターを増感剤とした光電変換を提案し、その内部量子収率は80%に及ぶことが示されているが、光吸収が弱いという欠点があった。これを補うため、金ナノ粒子のプラズモン共鳴に基づく「ナノアンテナ効果」を利用し、クラスターとナノ粒子の長所をともに活かした「金クラスター/金ナノ粒子複合材料」を開発した。[2013年 Nanoscale 誌

近赤外領域でも電流増強
 金ナノ粒子がプラズモン共鳴により光を集める「ナノアンテナ効果」を使えば、色素増感太陽電池などの電流を増強できる。当研究室では、この現象を近赤外領域に拡張した。色素の吸収が弱い近赤外領域での吸収を補助することができる。金ナノ粒子どうしが近づくとプラズモン共鳴の波長が長波長になる「プラズモンカップリング効果」を利用した。[2013年 J Phys Chem C 誌同誌表紙に採用

金ナノ粒子も多色変化
 当研究室でこれまで行ってきた光による多色変化はすべて、銀ナノ粒子によるものであったが、金ナノ粒子も利用できるようになった。金は銀より安定なので、反応を助ける「配位子」を利用する。書き込んだ色や情報は、銀よりも長期間保存することができる。[ Chem Commun 誌速報

ひとつの銀ナノ粒子が複数の色に変化
 当グループでは銀ナノ粒子と酸化チタンの複合材料で、光による多色変化を可能にした。今回新たに、たった一つの丸い銀ナノ粒子でも、複数の色に変化することを示した。市販の球状銀ナノ粒子を酸化チタン基板に載せると、2つのプラズモン共鳴モード(表面モードと界面モード)が生じる。いずれか一方のみを励起することで、粒子一個の散乱光をオレンジから緑、あるいは赤に変化させることができた。両方励起すれば、散乱光を消すこともできる。ナノフォトニック素子などへの展開が期待される。[2012年 Nano Lett誌速報

高次モードでもプラズモン誘起電荷分離
 高次モードプラズモン共鳴でもプラズモン誘起電荷分離が可能であることをを見出した。これにより、アスペクト比の長いロッドなど、通常の1次モードの共鳴波長が長く、つまりは共鳴する光のエネルギーが低いために反応が難しかった粒子も、反応が可能となった。[2012年 J Phys Chem C 誌(招待論文)

銅ナノ粒子でもプラズモン誘起電荷分離
 当グループでは酸化チタンなどの半導体と銀および金ナノ粒子との界面におけるプラズモン誘起電荷分離現象を見出し、光電変換、光触媒、多色フォトクロミズム、赤外フォトクロミズム、光変形ゲルなどに応用してきた。新たに、銅ナノ粒子の場合にもプラズモン誘起電荷分離が可能なことを見出した。コスト面などで有利になることが期待される。[2012年 Chem Lett誌速報(招待論文)

目に見えない画像の表示
 酸化チタン上の銀ナノロッドを用いて、赤外フォトクロミズムを達成した。(1)肉眼では見えず、赤外カメラでのみ見える画像を表示できる。(2)肉眼で見える画像と、それとは異なる、赤外カメラでのみ見える画像を、重ねて表示できる(上図)。(3)偏光フィルターを装備した赤外カメラで見ると、フィルターの角度によって違う画像が見えるように表示できる。(4)画像を消去して再び違う画像を表示することができる、などの特徴を持つ、全く新しい機能材料が得られた。特定の長さ・配向の銀ナノロッドを、可視光または赤外光により短縮し、短波長可視光により再伸長することにより(下図)、これらの機能を実現した。[2012年 Chem Commun 誌速報同誌表紙に採用、日刊工業新聞・日経産業新聞で紹介]

可視光型光触媒でも非接触酸化反応
 当グループでは酸化チタン光触媒による非接触酸化反応を見出し、光触媒リソグラフィー法に応用したが、新たに、白金担持酸化タングステンなどの可視光型光触媒でも非接触酸化反応が起こることを明らかにした。非接触エネルギー貯蔵にも利用できる。その機構は酸化チタンの場合と異なり、ヒドロキシルラジカルの気相への直接拡散による可能性が高いことも示した。[2011年 J Phys Chem C 誌

金ナノ粒子の近接場光により色素増感電流の増強
 色素増感光電流が、金属ナノ粒子のプラズモン共鳴によって増強されることが報告されている。当研究室では、金ナノ粒子と色素との距離を精密に制御し、10 nmまでは距離が短いほど増強度が増し、それ以下では逆に低下することを明らかにした。近接場光(局在電場)による効果であることを裏付ける結果と見られる。[2011年 Nanoscale誌速報

プラズモン誘起電荷分離サイトをイメージング
 当研究室で見出したプラズモン誘起電荷分離が、金属ナノ粒子のどの部位で起きているかをイメージングした。酸化チタン上の銀ナノロッドを用いて調べたところ、プラズモン共鳴により電場が局在化する(近接場光の強い)場所で電荷分離が起こりやすいことがわかった。プラズモン誘起電荷分離の機構を解明する上で重要な、また電荷分離効率を高めるための指針となる知見である。[2011年 Chem Commun 誌速報NPG Asia Materialsでハイライト

垂直析出した銀ナノプレートを配向選択的に転倒
 酸化チタン上に垂直析出した銀ナノプレート1粒子の光学特性を調べることに成功し、さらにそれを、可視偏光または近赤外偏光を用いることにより、配向選択的に転倒させることができた。偏光選択的に応答する光学素子・光電気化学素子などに応用できる可能性がある。[2011年 J Phys Chem C 誌

可視光で働く酸化エネルギー貯蔵型光触媒
 当研究室で開発してきた酸化エネルギー貯蔵型光触媒を、北大・大谷らが開発した白金担持酸化タングステンや、東大・橋本らが開発した銅担持酸化タングステンなどの可視光応答型光触媒と組み合わせ、可視光下で酸化エネルギーを貯蔵し、夜間にもホルムアルデヒドの無害化などが可能な光触媒を開発した。[2011年 J Mater Chem 誌 (Hot Article)

金クラスターでも光電変換
 Au25などの金クラスターは、色素分子のような電子軌道を持つ。これを酸化チタンに担持することで、光電変換や可視光光触媒などに利用できることを明らかにした。内部量子収率は60%に及ぶ。[2010年 Adv Mater誌速報同誌内表紙に採用

光触媒に貯蔵したエネルギーで夜間もメタノールやホルムアルデヒドを無害化
 当グループでは酸化エネルギー貯蔵型光触媒を開発したが、昼間に貯蔵したエネルギーによって、夜間、メタノールやホルムアルデヒドをCO2に酸化し、無害化できることを明らかにした。[2010年 Phys Chem Chem Phys 誌、Highlights in Chemical Technology

酸化チタン上で銀ナノ粒子のサイズと配向を光で制御
 当グループでは銀ナノ粒子−酸化チタン系の多色フォトクロミズムを見出したが、その原理を応用することで、銀ナノ粒子のサイズと色や、銀ナノロッドの配向と偏光特性の、光による制御を可能にした。[2009年 J Mater Chem 誌]

銀ナノプレートの垂直析出と光による"転倒"
 酸化チタンナノ粒子からなる薄膜に溶液中で紫外光を照射することで、三角形または六角形の銀ナノプレートを垂直に析出させることができた。気相中で可視光を照射すれば、光電気化学的なメカニズムで倒すこともでき、それに伴いスペクトルが大きく変化する。こうした光によるナノプレートの配向制御は、色や偏光性などの光学的特性の制御のほか、触媒や光触媒などの活性制御等にも応用できる可能性がある。[2009年 Chem Commun 誌速報]

光電解エピタキシャル成長により銀ナノ粒子を配向析出
 酸化チタン単結晶に溶液中で紫外光照射するだけで、一軸または二軸配向した銀ナノロッド、プレート(プリズム)、ピラミッドなどを析出できることを見いだした。その光学応答は偏光選択性を持つ。当研究室で見いだした多色フォトクロミズムのほか、種々の機能材料・デバイスへの応用が期待される。[2009年 J Phys Chem C 誌速報]

金ナノ粒子−酸化チタンによる光電変換素子の極性を逆転
 当研究室では酸化チタン上に金ナノ粒子を析出した系での光電変換を報告したが、その構造を逆にして、金ナノ粒子上に酸化チタンを被覆すると、可視光照射時の電圧と電流の極性が逆転した。金ナノ粒子から酸化チタンへの電子移動を裏付けると同時に、デバイス設計の可能性も広がった。[2009年 ChemPhysChem誌速報]

可視光で働くエネルギー貯蔵型光触媒
 当研究室ではこれまで、エネルギー貯蔵型光触媒を開発し、また、金ナノ粒子を用いた可視光応答型光触媒を開発した。それらを組み合わせることで、可視光による還元エネルギー貯蔵を可能にした。具体的には、金ナノ粒子担持酸化チタンと酸化タングステンを組み合わせたもので、酸化タングステン中に還元作用を蓄積できる。[2008年 Electrochem. Commun.誌]

サイズの揃った金平糖状金ナノ粒子を合成
 表面に凹凸のある金ナノ粒子はこれまでにも報告があったが、当研究室では、任意のサイズの、径の揃った金平糖状ナノ粒子を合成する手法を開発した。表面がなめらかな金ナノ粒子よりもプラズモン共鳴波長が長くなることを、実験および理論計算の両方から明らかにした。光電変換やSERSなどへの応用が期待される。[2008年 Langmuir誌]

多色フォトクロミズムに銀ナノ粒子の粒径変化が関与
 当グループでは銀ナノ粒子−酸化チタン系の多色フォトクロミズムを見出したが、その色変化に、銀ナノ粒子の粒径変化が関与していることを明らかにした。長波長の光を当てると大きな粒子が、短波長の光を当てると小さな粒子が減少する傾向が見られた。[2007年 Adv. Mater.誌速報、同誌"Advances in Advance"にて紹介]

紫外光で膨潤、可視光で収縮する光電気化学アクチュエータを開発
 当グループでは以前、紫外光照射により膨潤し、照射を停止すると収縮するアクチュエータを開発したが、この度新たに、紫外光で膨潤し、可視光により収縮するアクチュエータを開発した。当グループが見出した多色フォトクロミズムにおける銀ナノ粒子のプラズモン誘起酸化還元反応を利用している。[2007年 Adv. Mater.誌速報、同誌表紙に掲載]

光触媒による非接触酸化反応の主要な機構を解明
 紫外光照射された酸化チタン光触媒上で生じた過酸化水素が気相中を拡散し、これが紫外光を吸収してヒドロキシルラジカルを生じ、それによって非常に強い酸化反応が起こることを明らかにした。光触媒リソグラフィーの特性改善につながる期待も。[2006年 J. Am. Chem. Soc.誌速報]

光触媒による非接触エネルギー貯蔵を可能に
 当グループでは光触媒とエネルギー貯蔵材料を組み合わせたエネルギー貯蔵型光触媒を開発してきたが、両者が接触していなくても酸化エネルギーを貯蔵できることを明らかにした。当グループが見出した光触媒非接触酸化反応との関連についても調べている。[2006年 Phys. Chem. Chem. Phys.誌]


応答濃度を制御できるバイオセンサーを開発
 相転移ポリマーと酵素モデル物質を組み合わせることで、バイオセンサーの応答濃度領域(ダイナミックレンジ)の可逆制御に初めて成功。従来は、低濃度の測定と高濃度の測定には、別のセンサーを用いる必要があったが、単一センサーでの切り替え測定が可能になった。[2006年 Langmuir誌]


藻類の走光性に基づく毒性バイオセンサーを開発
 鞭毛藻類の遊泳活性と走光性を同時に、電気化学的に測定することで、異なるタイプの毒性を評価できるセンサーを開発。誘因光のon/offに伴う挙動を二つの電極(図のWE1, 2)で測るため、多角的な測定が可能。[2006年 Anal. Chem.誌]


金ナノ粒子を用いた新しい太陽電池と光触媒
 ナノポーラス酸化チタンと金ナノ粒子を組み合わせた材料を用いる太陽電池で、光子-電流変換効率(IPCE)26%を達成。また同材料は光触媒として、酸素の還元と共にエタノール、メタノール、グルコース、アルデヒド類などを酸化できる。[2005年 J. Am. Chem. Soc.誌、日刊工業新聞ほか]


藻類の鞭毛運動に基づく毒性バイオセンサーを開発
 鞭毛をもつ藻類の遊泳に対する阻害作用や、重力に逆らって進もうとする反重力走性に対する阻害作用に基づいて、水中の毒性物質を検出するセンサーを開発。以前開発した、光合成活性に基づくセンサーより高感度。[2005年 Anal. Chem.誌]


光触媒による非接触酸化反応を10倍以上加速
 アナターゼ型酸化チタン以外の、各種光触媒でも非接触酸化が可能なことを確認。また、酸化チタンに白金を担持することで、反応を10倍以上加速することに成功。光触媒リソグラフィー法の処理時間も短縮可能か。[2005年 J. Mater. Chem.誌]


光電気化学アクチュエーターを開発
 当グループですでに開発したレドックスゲルアクチュエーターに光触媒を組み合わせることで、紫外光照射により膨潤し、紫外光を切ると収縮する光電気化学アクチュエーターを開発した。光照射した部分だけを選択的に膨潤させることもできる。[2006年 Chem. Commun.誌速報、日刊工業新聞]


酸化エネルギー貯蔵型光触媒を開発
 当グループでは還元エネルギー貯蔵型光触媒を開発し、夜間の防錆・抗菌などへの利用を提案してきた。この度新たに、酸化エネルギー貯蔵も可能であることを示した。酸化チタンはn型半導体のため難しいと考えられていたが、p型半導体との組み合わせにより実現した。フォトクロミック材料としても利用可能。[2005年 Langmuir誌]


光触媒リソグラフィー法を利用した金表面のパターニングとバイオセンサへの応用
 金の表面を微細構造化・化学修飾し、当グループで開発した光触媒リソグラフィー法により超撥水/超親水パターニングを実現。酵素や細胞のパターニングも行い、バイオセンサ・バイオチップへ応用できることを示した。[2005年 J. Mater. Chem.誌、英国化学会Hot Articleに選定:論文にアクセス著者インタビューにアクセス (いずれも無料)]

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酵素モデル電極の自己メディエーション能を確認
 当グループでは酵素電極に代わる酵素モデル電極を提案・開発してきたが、酵素ペルオキシダーゼのモデル物質であるヘムペプチドについて、自らが電極への電子伝達を媒介する自己メディエーション能を持つことを確認した (図)。一般の酵素にはこの機能はなく、電子を伝えるには導電性ポリマーなどが必要。[J. Electroanal. Chem.誌掲載予定]


光触媒リソグラフィー法による超撥水表面の超親水化・パターニング
 微細構造化と化学修飾により超撥水化したガラスなどの固体表面を、光触媒リソグラフィー法により超親水化した。超撥水/超親水パターニングも可能。バイオチップ、細胞チップ、ラボオンチップなどへの応用の可能性がある。[2005年 Appl. Surf. Sci.誌]


金属ナノ粒子を用いた新しい光エネルギー変換法
 ナノポーラス酸化チタンと金・銀ナノ粒子の組み合わせにより光エネルギー変換できることを示した。安価で作製の容易な増感型太陽電池、可視光型光触媒(酸化力は調査中)、光センサー、化学センサーなどへ応用可能性か。[2004年8月 Chem. Commun.誌速報]


マルチカラーフォトクロミック材料の退色抑制法を開発
 当グループで見出した銀ナノ粒子・酸化チタンフォトクロミック材料は、画像書き込み後に徐々に退色するが、チオール処理により退色を抑制。紫外光照射によりチオールを分解すれば、再び画像の書き込みも可能。[2005年 Chem. Commun.誌速報]


クロレラを用いた毒性バイオセンサーを開発
 環境モニタリングなどへの応用が可能。クロレラの光合成活性の測定に基づく。従来の成長阻害試験(要数日)より速く(要数分)、酸素電極法より安価。小型化、使い捨て化も可能。[2005年 Anal. Chim. Acta誌]


新しい機構のレドックスゲルアクチュエーターを開発
 銅の酸化溶解(イオン化)・還元析出を利用。イオン化した銅がゲルを収縮させる。酸化溶解は速い反応なので、収縮時に比較的大きな力を得られる可能性がある。[2005年 J. Electroanal. Chem.誌]


光触媒から空気中へ放出される過酸化水素を初めて検出
 ただし安全性に問題はないとみられる。密閉環境下でも、基準値に達するまでに数ヶ月かかると概算された。光触媒の非接触酸化反応との関連も興味深い。写真は検出に用いた光触媒カラム。[2004年4月 Anal. Sci.誌速報]


背面からの光照射により着色する新規フォトクロミックデバイスを開発
 当グループで開発したカソード分離型光触媒を応用。厚さ約1 mmの不透明な材料の背面から光をあてると、背面の色は変わらず(写真左)、表面だけ青く着色する(写真右)。[2004年3月 Chem. Mater.誌速報、日刊工業新聞]


マルチカラーフォトクロミック材料に画像消去・再現の新機能
 当グループで見出した銀ナノ粒子・酸化チタン材料(写真1)を応用。画像書き込み時にイオン除去処理を行うと(写真2)、白色光下で白く退色した後に(写真3)再び紫外線を照射すると、元の画像が再現される(写真4)。[2004年2月 J. Am. Chem. Soc.誌]




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